【2025年7月版】最強ローカルLLMランキング!性能比較で選ぶおすすめモデル
2025年、AIの世界はクラウドから個人の手元へ、という大きな潮流の中にあります。その主役が、自身のPCやサーバー上で動作させる「ローカルLLM(大規模言語モデル)」です。プライバシーの確保、オフラインでの利用、そしてランニングコストからの解放といったメリットから、今、世界中の開発者やAI愛好家がローカルLLMに熱い視線を送っています。
しかし、その進化はあまりにも速く、「Llama 3」「Qwen 2」「Gemma 2」といった有力モデルが次々と登場し、「一体どれが本当に『使える』モデルなの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、2025年7月現在の最新情報に基づき、性能や用途に応じた「最強ローカルLLMランキング」を作成しました。あなたの目的に最適なモデルがきっと見つかるはずです。
ローカルLLM選びの3つの重要ポイント
ランキングの前に、ローカルLLMを選ぶ上で欠かせない3つのポイントを簡単におさらいしましょう。
-
モデルサイズ(パラメータ数): 一般的に、パラメータ数(7B, 13B, 70Bなど)が大きいほど、LLMは賢くなります。しかし、その分多くのメモリ(VRAM)と計算能力を必要とします。
-
量子化(Quantization): モデルの性能を極力維持しつつ、サイズを圧縮する技術です。「GGUF」などの形式に量子化されたモデルは、少ないVRAMでも動作させることが可能です。性能と軽さのトレードオフになります。
-
PCスペック(特にVRAM): ローカルLLMの性能を最大限に引き出すには、グラフィックボードのVRAM(ビデオメモリ)が最も重要です。快適に動かすための目安として、軽量モデルで8GB、中規模モデルで16GB、高性能モデルでは24GB以上が推奨されます。
【2025年7月】性能別!最強ローカルLLMランキング
それでは、いよいよ最新のローカルLLMランキングを見ていきましょう。「総合性能」「性能と軽さのバランス」「日本語性能」の3つのカテゴリに分けて、注目のモデルを紹介します。
総合性能トップ!ヘビー級 (VRAM 24GB以上推奨)
最高の性能を求めるユーザー向けのカテゴリー。最新・最高のモデルがここに集結します。
🥇 第1位: Qwen 2.5 (72B) 現時点での総合力最強候補が、Alibaba社の開発した「Qwen 2.5 72B」です。多くの主要ベンチマークでLlama 3 70Bを上回るスコアを記録しており、特に英語以外の多言語能力に優れています。自然で高品質な日本語を生成する能力も非常に高く、日本語をメインで使うユーザーにとっては最高の選択肢となるでしょう。
🥈 第2位: Llama 3.1 / 3.3 (70B) Meta社がリリースした「Llama 3」シリーズは、依然としてトップクラスの性能を誇ります。オープンソースLLMのコミュニティを爆発的に成長させた立役者であり、安定した性能と、世界中の開発者によって作られた膨大な数の派生モデル(ファインチューニングモデル)が最大の強みです。汎用性、信頼性で選ぶなら鉄板のモデルです。
🥉 第3位: Gemma 2 (27B) Googleが放つ新星「Gemma 2」。特筆すべきはその効率の良さです。27B(270億パラメータ)というサイズながら、その性能は2倍以上のパラメータを持つ70Bクラスのモデルに匹敵します。より少ないVRAMでトップクラスの性能を引き出せる可能性を秘めており、今後のローカルLLMのトレンドを象徴する存在と言えるでしょう。
性能と軽さのバランス!ミドル級 (VRAM 12GB〜16GB推奨)
多くのユーザーにとって、最も現実的でバランスの取れた選択肢が集まるカテゴリーです。
🥇 第1位: Gemma 2 (9B) ミドル級の新たな王者です。Googleの最新技術が投入されたこの9Bモデルは、長らくこのクラスの標準だったLlama 3 8Bを超える性能を発揮します。一般的な文章作成、要約、質疑応答から、ある程度のコーディングまで、多くのタスクを快適にこなせる驚異的なバランスを実現しています。
🥈 第2位: Llama 3 (8B) このクラスの定番であり、今なお非常に有力な選択肢です。世界で最も利用されているモデルの一つであるため、関連情報やトラブルシューティング、応用事例が圧倒的に豊富です。ローカルLLM入門にも最適で、まず試してみるモデルとして後悔することはないでしょう。
🥉 第3位: Phi-3-medium (14B) Microsoftが開発した「Phi」シリーズの14Bモデル。他のモデルとは一線を画し、特に論理的思考力やコーディング能力に強みを持つユニークな存在です。コンパクトながら質の高いデータを学習しており、特定のタスクで驚くほどの性能を見せることがあります。開発者のサブアシスタントとして光るモデルです。
日本語性能で選ぶなら!
日本語の処理能力を最優先するなら、以下のモデルが特に注目です。
-
Qwen 2.5 シリーズ: ヘビー級の72Bモデルを筆頭に、シリーズ全体で日本語の学習データが豊富で、非常に自然で文脈に沿った日本語を生成します。ビジネス文書の作成からクリエイティブな執筆まで、あらゆる場面で高いパフォーマンスが期待できます。
-
国産特化モデル: rinna社やELYZA社などが開発する、日本の文化的文脈やビジネス慣習に特化した国産LLMも、特定の用途においては最高の選択肢となり得ます。自社の業務ドメインに合わせたカスタマイズを検討している場合は、これらのモデルの最新動向を注視する価値があります。
ローカルLLMを今すぐ試す!簡単実行ツール
専門的な知識がなくても、以下のツールを使えば驚くほど簡単にローカルLLMを始められます。
-
Ollama: CUI(黒い画面)ベースのツール。ターミナルから
ollama run llama3
のような簡単なコマンドを一つ打つだけで、モデルのダウンロードから実行までを自動で行ってくれます。手軽さNo.1です。 -
LM Studio: GUI(グラフィカルな画面)で直感的に操作できるツール。Hugging Face(モデル共有サイト)から好みのモデルを検索し、ダウンロード、チャットまでを全てアプリ内で完結できます。初心者には特におすすめです。
まとめと今後の展望
2025年、ローカルLLMはもはや専門家だけのものではありません。プライバシーを守りながら、誰もが手元で強力なAIを自由に使える時代が到来しました。
今回紹介したモデルは、いずれもオープンソースコミュニティの力によって日々進化を続けています。特に「Gemma 2」のような、より少ない計算資源で高い性能を発揮する「効率的なモデル」は、今後の大きなトレンドとなるでしょう。
「Llama 4」や「Qwen 3」といった次世代モデルの噂も聞こえ始めており、ローカルLLMの進化はまだまだ止まりそうにありません。まずはOllamaやLM Studioを使って、この刺激的なAIの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。