【状況別】ビジネスメールの謝罪例文集|誠意が伝わるお詫びの書き方
ビジネスシーンにおいて、ミスやトラブルは誰にでも起こり得ることです。重要なのは、その後の対応です。特に、迅速で誠意のある謝罪は、損なわれた信頼を回復し、その後の関係をより強固なものにするための重要なステップとなります。
しかし、「どう書けば誠意が伝わるだろうか」「かえって失礼にあたらないか」と、謝罪メールの作成に悩む方は少なくありません。
そこで本記事では、ビジネスメールで謝罪する際の基本的な構成から、さまざまな状況に応じた具体的な例文までを詳しく解説します。
謝罪メールの基本構成
まずは、謝罪メールの基本となる構成を理解しましょう。以下の要素を順序立てて含めることで、分かりやすく、誠意の伝わるメールになります。
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件名: 【お詫び】などを用いて、謝罪のメールであることが一目でわかるようにします。
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宛名: 会社名、部署名、役職、氏名を正確に記載します。
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挨拶と名乗り: いつもお世話になっていることへの感謝を述べ、自分の会社名と氏名を名乗ります。
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謝罪: 何に対する謝罪なのかを明確にし、ストレートにお詫びの言葉を述べます。
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原因と経緯: なぜ問題が発生したのか、その理由と経緯を簡潔かつ客観的に説明します。
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対応策・代替案: 現在どのように対応しているか、あるいは今後の具体的な対応策を提示します。
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再発防止策: 今後同様のミスを起こさないための具体的な対策を示し、責任感と誠意を伝えます。
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結びの挨拶: 改めて謝罪の言葉を述べ、メールを締めくくります。
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署名: 自分の連絡先を明記します。
【状況別】謝罪メールの例文
それでは、具体的な状況別に謝罪メールの例文を見ていきましょう。
ケース1:自分のミスで納期が遅延した場合
納期の遅延は、相手のスケジュールに大きな影響を与えかねません。判明した時点ですぐに連絡することが重要です。
件名: 【お詫び】〇〇の納期遅延に関するご連絡(株式会社〇〇 担当者名)
本文: 株式会社〇〇 営業部 部長 〇〇様
いつも大変お世話になっております。 株式会社△△の〇〇です。
この度は、〇月〇日に納品を予定しておりました「〇〇」につきまして、 弊社の生産管理上の不手際により、納期に遅れが生じております。 多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
現状、〇月〇日の納品となる見込みでございます。 詳細な進捗につきましては、改めて明日午前中にご報告させていただきます。
今回の事態を厳粛に受け止め、生産管理体制の見直しを行い、 今後は二度とこのようなことがないよう、再発防止に努めてまいります。
勝手なお願いで大変恐縮ではございますが、 今しばらくお時間をいただけますと幸いです。
この度は、誠に申し訳ございませんでした。 取り急ぎ、メールにてお詫び申し上げます。
ケース2:送信した資料に誤りがあった場合
資料の誤りは、相手に誤った情報で判断をさせてしまうリスクがあります。気づき次第、迅速に正しい情報を送付しましょう。
件名: 【お詫びと再送】〇月〇日にお送りした「〇〇」の資料について(株式会社〇〇 担当者名)
本文: 株式会社〇〇 企画部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。 株式会社△△の〇〇です。
先ほどお送りいたしました「〇〇に関する企画書」の資料内に、 一部誤りがございました。誠に申し訳ございません。
つきましては、修正した資料を本メールに添付いたしましたので、 ご査収いただけますと幸いです。 お手数をおかけし大変恐縮ですが、先にお送りした資料は 破棄していただきますようお願い申し上げます。
(誤)P.5 グラフAの数値:XXX (正)P.5 グラフAの数値:YYY
今後は、ダブルチェックを徹底し、再発防止に努めてまいります。 この度は、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
ケース3:お客様からのクレームに対するお詫び
お客様からのクレームには、まず相手の不快な気持ちに寄り添い、真摯に謝罪する姿勢が大切です。
件名: 【お詫び】弊社製品「〇〇」について
本文: 〇〇様
この度は、弊社製品「〇〇」に関しまして、 〇〇様にご不快な思いをさせてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。 誠に申し訳ございません。
ご指摘いただきました〇〇の件につきまして、 社内で調査の上、原因を究明し、早急にご対応させていただきます。 調査には2〜3日お時間をいただく見込みです。 進捗につきましては、改めて〇月〇日にご連絡を差し上げます。
お客様にご満足いただける製品・サービスを提供すべきところ、 このような事態となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
今後は、品質管理体制を一層強化し、 お客様の信頼回復に全力を尽くしてまいります。
まずは取り急ぎ、お詫び申し上げます。
ケース4:社内の上司や同僚への謝罪
社内向けの謝罪では、事実関係を正確かつ簡潔に報告し、今後の対応について指示を仰ぐ姿勢が求められます。
件名: 【お詫び】〇〇案件でのミスに関するご報告
本文: 〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
本日、〇〇案件にて、私の確認不足により A社への見積書に誤った金額を記載して提出してしまいました。 ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
先ほどA社の〇〇様に電話にて謝罪し、 修正した見積書を再送付いたしました。 幸い、〇〇様からはご了承をいただけております。
今回のミスは、最終確認を怠ったことが原因です。 今後は、チェックリストを作成し、ダブルチェックを徹底することで 再発防止に努めます。
この度は、私の不注意により多大なるご迷惑をおかけし、 大変申し訳ございませんでした。 改めて、本件に関するご指導をいただけますと幸いです。
謝罪メールで失敗しないための注意点
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スピードを最優先に: 問題が発覚したら、言い訳を考えたり、原因究明に時間をかけすぎたりせず、まずは「第一報」としてお詫びの連絡を入れましょう。
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言い訳はしない: 原因説明は必要ですが、「〜していたため」「〜だとは知らず」といった言い訳と取られかねない表現は避け、客観的な事実のみを記載します。
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具体的な再発防止策を示す: 「気をつけます」「注意します」といった精神論ではなく、「ダブルチェックを徹底します」「承認フローを見直します」など、具体的な行動を示すことが信頼回復に繋がります。
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メールだけで済ませない: 重大なミスの場合は、メールでの謝罪に加え、電話や直接訪問での謝罪も検討しましょう。誠意がより伝わりやすくなります。
まとめ
謝罪メールは、単に謝るためだけのものではありません。誠実な対応を示すことで、相手との信頼関係を再構築するための重要なコミュニケーションツールです。
今回ご紹介した基本構成と例文を参考に、ご自身の言葉で誠意のこもった謝罪メールを作成し、ピンチをチャンスに変えていきましょう。