「凶器は壊れた黒の叫び」河野 裕





階段島シリーズ 最終巻






階段島に生きる人が
私に言葉を教えてくれた。


普段から 私は 何をするにも“言葉”を使う。

人間が ずっと前に、
意思の伝達手段に
言葉を獲得してからの 歴史ある行為だ。


私がそれをするようになったのは
もちろん生まれてからのことで、
まだ22年に満たない。

それでも 毎日毎日
いろんな人と
いろんな時に
いろんな場所で 使ってきた。


でも どうだろう。

言葉はこんなにも、奥深くて 正直で
辛辣で 暖かくて 未経験だった。


私の知る 言葉は、
きっとまだ 始まりにすぎない。

そう思わせてくれる本だった。




人によって 言葉の使い方が違うのは
わかっていたつもりだったけれど

こんなにも、
山頂で吸い込む 空気のように
取り込みたての お布団のように
汗をかいた後に飲む 炭酸飲料のように

心地良く 身体に沁み込むものなのか。



そんな言葉の使い方をする人に
出逢えてよかった。

この人を知ることができた瞬間
私の今までの人生が報われた。

これから生きる 意味ができた。




実を言うと 表紙の絵が
あまり手にしない部類のもので
読むのをためらったけど、

読まないことを選択しなくてよかった。


後悔の少ない人生ではないけれど
過去の自分に 感謝した。









2017.05.15