尾鷲訪問随行記~アイ氏篇2~ | アイ氏とTさん ~回文と料理のブログ~

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 2日目その1。

 

 2日目は、浜名湖から伊良湖へ行き、そこから鳥羽までフェリーで移動しました。

 そして、鳥羽から伊勢神宮のあたりまで出て尾鷲へと移動するという予定です。
 旅とは往々にして予定通りにいかないもので、伊良湖のフェリー乗り場はすごい混雑でした。

   伊良湖の港

 切符は買えたものの二時間後の乗船となったため、

 それぞれ自由行動となり、アイ氏は周辺の観光に単身乗り出します。

万葉歌碑
 付近に万葉歌碑があることを確認したので、早速歩いて出発しました

 さて、こちらが万葉歌碑です。→

 『万葉集』巻1の24番歌で、その前(23番歌)には、

 麻續王が伊良虞嶋に流された時に

 ある人が哀傷して詠んだ歌があります。

 24番歌はそれに和して麻續王が作った歌、とのことです。

 (太字部分が碑に記されています。)


      麻續王聞之感傷和歌

   うつせみの いのちををしみ

     なみにぬれ いらごのしまの たまもかりをす

    空蝉之 命乎惜美

       浪尓所温 伊良虞能嶋之 玉藻苅食


 また、浜辺の遊歩道には糟谷磯丸(1764~1848)という人物の和歌が物覚えよき歌

 所々に刻まれていたのでそれらを眺めつつ浜辺を散歩しました。

 この磯丸、さまざまな願いを託した「まじない歌」でも有名だとかで、

 その中でアイ氏が気になったのがこの「物覚えよき歌」です。→


   鳥のあと とめて覚えよ ふみみつゝ

     浜のまさごの かず多くとも


 磯丸の歌はその多くが純真無垢な内容の歌であったらしく、

 おそらくこれも特に技巧はないものと思われますが、

 歌題との関連から、何かの「覚え歌」ではないのか、などと

 いろいろと考えてしまいました。

 

 ところで、この伊良湖、これだけのときは「いらご」で、

 伊良湖岬というときには「いらこみさき」と濁らずに読むようです。


 つづく。