カバーを巡る(1):Radiohead‐High and Dry | アクセサリー Stellamaris 店長 aiaiのブログ

カバーを巡る(1):Radiohead‐High and Dry

ラジオもテレビも「夏だ、夏だ」と連呼。



海は眺める専門、アイスクリーム&かき氷はここ数年食べていない

山は虫が多いから苦手&素直にシェイプに観惚れるほど人間が丸くない、

最も夏に向かない私ですが(枯れているだけとも・・・)



唯一、ラテンミュージックだけは偏愛しております。



久しぶりに「Rythm del Mundo」を引っ張り出しまして

有名曲のキューバン・アレンジを楽しんでおりましたら

数十回と聴いているはずの曲で、物音を察知した鹿のように

耳を傍立てて直立。


イメージ→bambi.

このコード進行、もしや「High and Dry」では。

ジャケットを改めてみれば、確かにそうでした。

Radioheadの名曲「High and Dry」。



“君は認められたいが故に自殺を図ったり

 他の鏡を割って、別の誰かに生まれ変わろうとする。

 こんな風にわめきだす。

 「僕を独りにしないで、僕に冷たくしないで」

 それは君がこれまで手にした中で最高のものなのに

 もう消えてなくなってしまったんだ”



(かなり)ざっくり言えばこういう内容の歌詞。

世界が絶対的価値を失い、

人々は、ただ他者との関わりの中で自らの価値を求めるが

それすらも不安定・流動的。

何が本当に欲しかったのか、幸せの尺度も解らず

手に入れては壊してしまう。

現代のゆがんだ孤独をひりひりと描き出した名作だと思います。



恥ずかしながら、私とこの曲との縁はオリジナルが始まりではなく

Jamie CullumがLiveでカバーをしているからでして。

Jamieのバージョンはミニマルな編成で、ピアノの凛とした音が活きています。





本家本元 Radioheadは、

トム・ヨークのゆらゆらした声が、絶妙な「病み」具合を表現。

さすがですね・・・。



これと比べるとJamie、健全そのものに聞こえるなぁ。



さて、ある意味問題カバー作。

今日初めて気付いた(大丈夫か私?)キューバン・アレンジですが・・・



どうしよう。HighでもDryでもない。

さしずめWarm&Wetでしょうか。

自殺図ろうとしたらモヒート差し出して、肩でも組んでくれそう。



このCD、アレンジセンスが程良くて

単なるPOPカバーとも一線を画していると信じているのですが

Radioheadだけは失敗だったかも・・・。

オリジナルとカバーが相乗効果を起こすか

はたまた乖離しすぎて分裂するか。

カバー曲を聴く醍醐味でもあり、賭けでもありますね。