お世話になりっぱなしの、皆様へ。
実に1週間ぶりのお話。
怯えながらの更新です(T▽T;)
いつもながらの浅いお話ですが・・・お楽しみ頂ければ幸いです。
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点と点が線になる、瞬間。
交わらないのもが交わる、瞬間。
人間の思考というものは、物凄い勢いで巡りだす。
いつもの大きめの鞄をパンパンにして帰ってきた時点で、その黒猫との因果関係を導き出せれば・・・・
こんなにも黒い気持ちにならずにすんだであろうに。
こんなにも彼女に対しての独占欲を思い知ることもなかったであろうに。
自分の思慮の足らなさに、思わず肩が落ちそうになる。
社長が絡んでいるのならば、このホテルに持ち込み不可の生き物がいてもなんら疑問は抱かない。
抱いた方が負けなのであるから。
だから、この状況を受け入れよう。
に、しても。
図星を指されたのであろう彼女は、面白いように動かなくなる。
そしてそのまま、ギギっと音が鳴ってしまうんじゃないかというくらいぎこちなく、首を巡らせる。
瞳に浮かぶ涙と、多分社長に対してであろう強い怯えが・・・・・彼女を「最上 キョーコ」であると確信付けさせる。
(さて、どうしてくれよう・・・・・・)
社長絡みのこととはいえ、やっぱり内緒にされるのは気に食わない。
だから、そんな悪い子には・・・・・お仕置きしなくちゃ、ね?
『セツ、作り終わったのか?』
『・・・ッ!・・・・・えぇ!!』
『そうか、なら・・・・・ここで食わせろ』
無理やり雪花を憑けた彼女からペットシーツをもぎ取って、ソファ脇の床に敷く。
柔らかく優しく抱えていた小さな黒猫をその上に降ろすと、にゃぁ・・・・と催促の鳴き声が細く聞こえた。
『ほら・・・・こいつも早くしろって言ってる』
視線で彼女急かして、ソファにどかりと座り込む。
もぅっと慌てた仕草を押し留めて、極めて優雅に彼女は作った離乳食をペットシートの上に置いた。
待ってました!と言わんばかりの勢いで、黒猫が口を付け始める。
その仕草を見つめる視線は慈愛に満ちて、こちらとしてもそんな彼女をいくらでも見ていたいが・・・・・いかんせんそういうわけにもいかない。
『・・・・・セツ、おいで』
可愛い可愛い、妹さん。
さぁ、兄さんを納得させてみて?
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さようなら、一ヶ月の私の平穏。
さようなら、今晩の私の安全。
企み顔100%のカイン兄さんの表情に、思わずぴゅーっと効果音が聞こえそうだった。
どかりと座った兄に、呼ばれた私。
行かなきゃと思うのだが、足が動かない。
今晩だけの付き合いになるかもしれない黒猫の、お食事に勤しむ姿を見ていたかった。
そんな願いは傍若無人を地でいく兄に潰される。
『セツ・・・・?』
『そんなに呼ばなくても、分かってるわ・・・・』
動かない足に叱咤してなんとか、彼の横に立つ。
横に座ろうか思案していた時に、ほらっと広げられた腕の意味が・・・・・・分からなかったことにしたい。
in hereって意味しか思いつかないのは、病んでて禍々しい兄妹だからなのか。
それとも・・・・・・
もう一つの答えを導き出すことが出来ずに、うんうん唸っていると、痺れを切らせた彼が声を掛けてくる。
『セツ?』
『兄さん、猫が嫉妬しちゃう』
だから、今日はくっつけないわ、っと不敵に笑ってかわす。
とっさに出た言い訳にしては、我ながら上出来な切り替えしだと思う。
『そしたらお前はそいつを抱いていれば良い』
俺はお前を抱いているから・・・・・・と、敵は見事に逃げ道を潰していく。
足元に擦り寄るのは、小腹を満たした愛すべき元凶。
食べたすぐあとのぷっくりと膨れたお腹を刺激しないように、慎重に柔らかなタオルで包み込む。
『兄さん、もうちょっと上いって』
意を決して、腰を下ろすのは・・・・・・
大好きで大好きで愛して止まない、兄の膝の上。
あぁ、兄さん。
覚悟はどこに、売ってますか?