いよいよ研修が始まろうとしているのだが、麗しの青年俳優がいるオブザーバー席に蠢く人の群れは嫌でも目に付く。

老若男女、とは言い難いが、所属セクションに関係ない人間もこれを機会に憧れの俳優に近づく算段の元、我先に!と声を掛けては、当の本人にさらりと流される。


(・・・・・あそこまで、忠犬振りを発揮するんだから・・・・凄いよな)


大方、キョーコが待ていて下さいね!?と釘を刺した為に、元来必要以上に人を近づけることを好まない担当俳優は、あそこを動かずにいるのだろう。


そして必要以上に振りまいている、あの笑顔。

その表情の裏で何を考えているのか、恐ろしくて想像もしたくない。

通常ならすぐさまに駆けつけて、彼を囲む人の群れを追い払う作業に勤しむのだが・・・


今日は、社内。

敵ではなく、味方。


会社としての形態を保つ為に、一人一人が役割を担う。

それは、俳優としての蓮やタレントとしてのキョーコ、彼らを支えるマネージャーである自分であっても、そこから更に上の上司や諸々、全てが一つの歯車に過ぎないのだから。

組織とはどんなものであっても、変わらない。

今、担当する蓮の元に詰め寄る人間の中には、役職柄顔の広い自分が名前や顔すら認識していない人間が多い。

下手に揉めてしまい、その結果がどう自分たちのセクションに関わってくるかが検討も付かない為、あえて社は静観を決め込む。


(俺の助けなんかいらないよな・・・今の蓮には)


ラブミーピンクも真っ青になるような、ドギツいピンクのオーラを背負っているのだから・・・・

むしろ助けようとしたら、目で殺されるに違いない。




    最上さんへのアピールは一人で待ってた方が、ポイント高いんですから。

邪魔しないで下さい、ね?   ・




(このくらいのこと、平然と言ってきそうだし)


少し意識を遠くに飛ばしながら、人の群れの中心にいる蓮を眺める。

時折見せる疲れた顔が、苛立つ彼の心情を表していることなど、見抜いているけれど・・・

親切心を無下にされそうなフラグの高さに、やはり手助けを諦める。


(触らぬ神に、祟りなし)


分厚い資料にげんなりしながら、担当俳優に背を向け、設置されたスクリーンに目を向ける。


途端にざわつく背後の集団。

いぶかしむ社の横を、薄いピンクのスカートが歩幅に合わせ扇情的に張り付いて幼い色気を強調させる少女と、その少女に恋する担当俳優が通り抜け、会場を後にする。


(・・・え・・・・・・・?)


研修開始は残り10分。

トイレへ・・・・という時間でもないだろう。

しかも、少女    キョーコは、しっかりと担当俳優     蓮の手を握っていた。


(・・・・幻覚・・・・・?)


振り向いてみると、やっぱり蓮はいなくて・・・・・

人だかりは、ざわつきを更に拡大させていた。


「・・・・社さん、しっかりして下さい・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・琴南さん・・・?」


事態が一切、読み込めない社に、諦めの口調で呼びかけるのは、もう一人のラブミー部。

もちろんキョーコのように、薄いピンクのスーツはぴっちりとボディラインが強調されていて、銀縁の伊達めがねを掛けてはいるのだが・・・

纏う黒過ぎるオーラのせいで、爛れた夜を連想させることは出来なかった。


「とりあえず、敦賀さんとキョーコは帰ってきません」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はッ?

嫌だな、社長命令の研修だよ?帰ってこないはナイダロウ・・・・・ははは」


最悪のシナリオが浮かぶが、それを即座に否定する。

しかし、不安は拭えない。

奏江は現実は残酷であることを、挙動がおかしくなった社に伝える。


「この騒ぎ、敦賀さんのせいですよね?」

「そうだね・・・」


奏江の視線の先には、ざわめきというより、騒ぎになっている人の集団。


「社長が・・・・・騒ぎが激しくなるようだから」

「・・・・・・・・・・」

「敦賀さんは別室で、キョーコに単独研修を受けてもらうって」

「!!!!!」

「わかってます、落ち着いてください」

「れ、れ、れ、れんが、犯罪を・・・・犯罪を・・・・」

「・・・・・・・・・貴方がそれを言っては駄目でしょう・・」

「でも、でも、でも!!!」


あのスーツに自分の担当俳優の理性が持つ保障など、どこにもない。

むしろ・・・・自ら切ってしまうのではないかとさえ思う。


一面を飾る、トップ俳優のスキャンダル。

新聞各社のレイアウトを熟知している社の脳内では、明日の朝刊の一面が浮かんでは消え、先程蓮の助けに入らなかった事実を彼に攻め立てる。


「・・・・社長の考え、です」


黙って聞きなさい、と服従させる瞳を持つ美女は厳かに告げる。


「キョーコがいなくなったせいで、司会の役割がこっちに回ってきたんです。

社さん、もちろんサポートして頂けますよね」


反論など、させるつもりは一切ない。

裏方からの大抜擢にこれでもかと神経を逆撫でされた奏江は、社を壇上前に引きずっていった。








(モー!!さっさと、くっつかないからこんなことになるんだわ)


睨む先は、いつだって先輩俳優。

社長が、惹かれ合っている二人で遊ぶのは構わない。

構わないが・・・・・

それは、自分と直接の関わりがないところでだけ。

あんなにスキンシップ過激な男に見染めれた親友は可哀想だと思うけれど、本人が真剣に嫌がってないのだから、結局はただのバカップルのいちゃつきである。

遠目で見ている分には、良い。

しかし、巻き込まれるとなると・・・・話は違う。


(・・・・・・・これで、纏まらなかったら・・・・・・どうしてくれようかしら・・・・)


うまく逃げられたと安堵した筈なのに、土壇場で一番面倒な役割が回ってきた怒りを、脳内の先輩俳優にぶつけまくる。


奏江は忌々しいマイクを握り、先程完璧に覚えた台詞を笑顔で繰り出す。








「皆様、ご着席下さい。

これより、LMEの合同コンプライアンス研修を行います」











******

公開謝罪。其の2



ごめんなさい。ごめんなさい。

しないつもりだったのに、カナメさんの素敵絵で妄想が桃色へ暴走。


色々考えて・・・・・・・

seiさんは、コンプラ**2のコメントで桃色煽ってたし、OK←

カナメさんは・・・・・記録に残らなさそうな方法で、桃色への許可を貰ったからOK←←


うん♪下準備完了!!!!

あとはキョコさん撫でまくるだけぇぇぇwwо(ж>▽<)y ☆

・・・・と思いきや、続き妄想が終わらない事態発生!(´Д`;)オオ


うわーうわーうわー!!!と七転八倒して、昨日午後・・・・・風呂敷・・・・・広げちゃえば、良いんじゃないの!?と腹を括る。←
広げた結果、奏江さんと社さんしか出てこないお話が生まれました。

何故ならば・・・

流石に皆がいる前で、キョコさんに無体なことはさせられない!!!との熱い思いから、プライベート研修への方向修正を無理やりにでも行うため←←



予定は、未定。

兎にも角にも、頑張ります!!その一言・・・( ´艸`)←