「じゃぁ、これ君のモノだから。

気に入ってもらえて良かったよ」


















至近距離で言われた言葉が、脳みそに浸透してこない。

・・・・いや、理解をしたくないのだろう。


「エ、、、オッシャッテル、イミガ、ワカリカネマス」

「そう?」


至極不思議そうな顔の蓮は、確認するように膝の上のキョーコに聞く。


「今の黒いのじゃ、使えないから持て余しているんだよね?」

「そう、なんです・・・」

「騙されてるってことが、わかったから・・・

もう、俺とも連絡とってくれるよね?」

「も、もちろんです!」

「今までみたく・・・たくさん話してくれる?」

「もちろん!です!!!」


蓮は言外に今回のことはとっっっっっても、寂しかったよ?とスパイスを入れることも忘れない。

もちろんキョーコはその意思を汲み取り、力強く肯定する。

深みに嵌っていくことも知らずに・・・


「だって!この一ヶ月自分から避けていたとはいえ、とっても辛かったんです!!」




仕事であった楽しいことも、辛いことも。

プライベートであった楽しいことも、辛いことも。

考えること、その結果。

思い悩むこと、その結果。


全部全部、蓮に話しておきたかった。


辛いときは、癒されて。

嬉しいときは、笑いあって。

悩めるときは、一緒に悩んでくれる。


とってもとっても大切な、人。




だから、キョーコ自身も辛かったのだ!と体全体で蓮に訴える。

思わぬ告白に、蓮が固まる。


久々に逢えて、ちょっと暴走して膝の上に乗せたことは、完全に自制が効かなかった。認めよう。

思わずハグをしたのは、一ヶ月前の反応と同じで嬉しかったからこその、出来心。認めよう。

おでこにキスしたのも、出来心。認めよう。


しかし膝の上で・・・

貴方に会えなかったことが辛かったの!

・・・私のせいだけど・・・・

でも!辛かったの!!


そんな力説を受けたら、恋する男は許さざる得ない。

どこか海のコックも言っていた「女のウソは許すのが、男」だと。

蓮が彼を知るかどうかは、別として。




「俺も辛かったよ?」

「・・・すいません」


しゅんとうなだれるキョーコの頭を再度撫でる。

撫でやすいように、頭を傾けてくる様のなんと可愛らしいことであろうか。


「だから、これは君のだ」


はい、と手渡されたそれを凝視する。

気になる、気にはなるが・・・・

触ったら、最後だ。


「・・・・繋がりが見えません」


今回の騒動はキョーコにとって、一寸どころか、自分でさえも見失ってしまう程、暗く、底が知れない。

警戒し過ぎても、全然足らないことを学習していないのか。

それとも弄ばれることを、原子レベルで望んでいるのか。

蓮には甚だ疑問であるが、都合が良い。


「とりあえず、通話とメール専用ね」

「え・・・」

「二台持ちって聞いたことない?」

「ありますが・・・でも一台だけでも・・」

「充分じゃないでしょ?」

「でも、そんな贅沢・・・」


未練たらたらで、蓮の手に収まるデコレーション携帯を見詰める。

これが支給されたものであったなら・・・・・・・

この一ヶ月、どんなに心休まるものだっただろう。

自分が断ったら誰か違う人に手渡されるだろうそれは、キョーコの心を掴んで離さない。


「うーん・・・

でもこれ、最上さんが貰ってくれないと解約行きなんだよね?」


残念・・・と一人呟く声は、キョーコに聞かせるためのもの。

案の定、彼女は飛びつく。


「えぇぇ!!?何でですか?」

「これ、俺の契約だから」

「は?」

「うん。だから、最上さんが悪戦苦闘するのは見てられなくてね」

「へ?」

「慣れるまで待ってたら、いつになるかわかんなかったから」

「・・・・・」

「社長にネタばらしされた日に、すぐ契約してきたんだ」


ふふ、っと笑う男は確信犯。


「このデコレーション、好き」

「・・・・とっても気に入りました」

「そうだろう?これ、俺のオリジナルだから」


敦賀スペシャルなんだよ。っと笑う男は確信犯。


「・・・・・」


キョーコがフリーズから抜け出せないことを良いことに、彼女の本能に呼びかける。


「俺と話し、したい?」

「・・・はい」

「キラキラ、好き?」

「・・・はい」

「貰って、くれる?」

「・・・・・・・・」



ああ、駄目よ、キョーコ!!

もらえるわけないでしょー!ああ、手が勝手にっ!いやーーーー!!!!!


理性は訴えるが、いつかの逆で「キラキラが好き!」「敦賀さんが・・・大切!!」と訴える本能に負けてしまう。



「大切に、します」

「うん、よろしくね」

「でも!!」

「ん?」

「・・・・使うのは敦賀さんだけで、良いですか?」


降って沸いた言葉は、専用。

SE・N・YO・U!!!!

蓮の頭の中は嬉しい悲鳴で埋め尽くされるが、やはり表面には出てこず、無表情を作ってしまう。


「や、やっぱり!駄目ですか?」

「・・・・」

「だって、だって・・敦賀さんの契約の番号を、おいそれと他の人に教えられませんし!!」

「・・・・」

「つ、敦賀さん以外は、何とかあのスマートフォンで事足りてますし!!」


浅い理由だとしても、嬉しいものは嬉しいのだ。

恋する男の機嫌ほど、安いものはないだろう。

それを証拠に、蓮は神々しい笑顔でキョーコを見る。


「うん、でも必要なときは使ってね」

「・・・・・・ハ、ハイ」









TURURURURURURURU・・・・・











無粋な機械音は蓮の携帯。


「あぁ、ごめん。時間だ」

「すいません。お時間ない中・・・」


膝の上から退こうとするキョーコを引きとめ、もう一度、強く抱きしめる。


「!!!!!!?」


ボンっと染まる頬に気を良くして、最後の仕掛けに掛かる。


「次は、象に潰されない様に・・・

おまじない」


そう言ってキョーコの手を取り、彼女の目線の位置まで持ってくる。

その手に収まる携帯の青く輝く星に、口付ける。


「な・・・ッ!!」

「おまじないだよ。

これで象にも潰させないし、俺からも逃げられない」


今度はキョーコ自身の頬にキスを落として、颯爽とラブミー部の部屋から退室する。

敦賀の坩堝に嵌っているだろうキョーコに、一か月分のフラストレーションがこのくらいなら安いものだよ。と呟いて。


























捕まえれるもんなら、捕まえてみなさい!!



そう、君から行動を起こしたんだ。



君の為なら、神にも背く覚悟の男を見誤らないほうが良いよ?




















゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ END゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚







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あぁ!!石を投げないで!!!!

おまけで、キョコさんの不安な夜があるから!!←


この人たちが纏まるまで書いたら、あたし死んじゃうw

むしろ今も付き合ってるんじゃ・・・・・・・・なんて思いますが、キュラレストと歪曲少女は成立前です。


ローリィ先生と蓮さんのやり取りは、いまじんふぉーゆー!想像してごらん!?です(/ω\)

もう男だけの会話を書くのは飽きました。

反動で蓮さんキョコさんを膝の上に乗せちゃうし・・・・・w修正が大変なんです。←



ちなみにキョーコが携帯を手にする心の叫びは、seiさんの「不安な夜 4話」のコメントから抜粋ww

妄想掻き立てられるコメントでしょうw流石seiさん!!



では、おまけは夜に!!

今日、お休みだから嘘つきませんww

お付き合い頂ければ、幸いです(●´ω`●)