インドの貴族を模した格好をそのままに、ローリィは自室のソファに深く座り込む。
対面のソファには蒼白な顔で象の下敷きになったマリンボーダーのバックを抱きしめるキョーコと、それを憐れそうに見つめる椹の二人が浅く座っていた。


「最上くん。
すまないことをした」


企みを上手く隠し、愁傷な表情を作りあげるのは、流石芸能事務所の社長である。
ローリィの感は、強く訴えていた。
「今」が時期、だと。


「いえ・・・
私の方こそいけなかったんです。
大事な荷物を放り出すなんて・・・・」
「あの状況下では仕方ないよ。
最上さんが悪いわけじゃないから」


今にも消えてしまいそうなキョーコを慰め、無残な姿の携帯のどうするか、と考える。





・・・機種変更・・・・?
・・・解約新規・・・・?




・・・番号を引き継ぐか・・・
・・・番号を新しくするか・・・





どちらにしても、目の前のローリィに弄ばれる運命の少女に心からの同情をおくり、せめても・・・と判断を促す。


「新しい携帯は、番号も新しくする?」
「・・・いえ!
修理で治るなら直したいです!!」
「いやいや・・・
こに状態は無理だろう。
データも取り出せないよ」


涙ぐむキョーコを必死になだめる椹に、ローリィはにやりと鈍く笑う。


「どうした?最上くん。
その携帯にそんなに思い入れがあるのか?」
「それは・・・ッ」


貴島さんからのスウィートなキラキラデコメとか!!
モーコさんとのスウィートな内容の一色なメールとか!!
・・・敦賀さんから、貰った何回も読み返すメールとか・・・!!!


とにかくとにかく!!
思い出が溢れている!!
だから今までに戻るのであれば、戻したい。
そしてキョーコは、とっても身近にいる災難な体質の男性を引き合いに出す。



「・・・だって、社さんはあんなに壊して、修理しても無事ですよ?」
「・・・最上さん。
引き合いに出す人間を間違えてる」



親友の松島の愚痴を聞いたことのある椹は、深く深いため息をついた。



曰く、


「あいつ!!
壊しまくって修理に出しまくってるから、気をつけろって注意したんだ!!
そしたらなんて言ってきたと思う?
聞いてくれ!!!
<社員の分の保険を余すことなく使ってるんですよ?
データは毎日バックアップとってるますし。
会社として掛けてる保険が無駄にならずに、良いことじゃないですか!!>
・・・と、のたまってきたんだ!!
いやいや、そういうことじゃないだろ!ないよな?
そうだと言ってくれ!!椹!!!」




ワンブレスで言い切った、あの時の親友は疲れていたんだと思う。
遠くを見つめる椹をキョーコは不信そうに眺める。


ローリィはごほん、と咳払いをして・・・
キョーコを追い詰めに掛かる。



「最上くん。
君はバックアップを取っているのか?」


「いえ・・・」


「この状態なら、新しいものを用意した方が早い。
二週間も代用機を使うのは、スケジュール管理の観点からちょっと難しいしな」


「はい・・・」


「そしたら次はスマホだな」


「え・・っ?」

「スマホならネットワーク上にバックアップが取れるから楽だし、何よりスケジュールが共有出来るからわざわざ連絡を取り合うこともない」



良いことづくめだ!!っと力説するローリィに思わず、はぁ・・・と了承の意を唱えてしまう。

心の中のローリィの顔は、にやけてにやけて止まらない。


「そうか、そしたら新しい番号ですぐ用意する」


ストーカー対策もある、との提案内容は十分に納得の出来るものだった。










・・・・・・が、しかし・・・・・・・次の提案は頂けない・・・・・・・・































「そしたら、最上くん。

一ヶ月間程、蓮と接触禁止な」









笑う社長は、凶悪。















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まさかの二夜連続投稿w


自分の意思からではない、拒絶!!

そりゃ、二人とも悶々とするわ(●´ω`●)

・・・・新しいパターンだと思いたいww



あたしの中のローリィ先生がどんどん腹黒くなっていく・・・

やめられないとまらないー