1999年5月(20歳)
まず最初に、新興宗教団体の代表者らしきおばさんに集会に勧誘
されました。料金は1500円。
後日、さっそく集会に参加したのですが、人数は100名ほどで
そのほとんどが中高年の女性の方でした。
男性は全くいなくて、若い女性が5人ほど。失礼な話ではありますが
薄幸そうな感じの方ばかりで。
その中にあって私は若い男(当時、バンドマンだったのでびかびかの
光沢シャツに皮パンに銀細工の物をジャラジャラという風体だったので
余計に。)というだけで、随分と話しかけられました。
その後、半年ほど宗教集会に参加し、恒例の自然への感謝が
テーマの代表者の説話、感謝の歌を合唱、みんなで手を繋ぎ大きな輪
になってスキップ(初めて参加したときは、急にみんなでスキップを
しますとか言われて、見ず知らずの自分の母親くらいの世代の方と
手を繋いでスキップする事には抵抗があったのですが、こんな機会は
二度とないだろうと考え、思い切ってスキップしました。100人近い
おばさんの群れに混じってスキップしていると、異様な
おばさんまみれのスキップ大会で宗教的陶酔状態に達する事は、
この宗教の本意ではないと思いますが。)の後に代表者を中心に輪に
なり、集会の感想やこの宗教に対して想う事などを、一人ずつ発言し
ていくのですが、当然、みんな肯定的な意見(この宗教のおかげで
悪かった膝が治りました、など)しか言わないわけです。
私の順番はかなり後の方でしたので、私が発言する頃には
宗教マンセーイオンみたいなものがかなりいい塩梅に、この空間を
埋めているのです。
その瞬間、私はぴこんと閃いたのですが、今このタイミングで否定的
な事(例えばみなさんが購入した壷の代金で代表のベンツのタイヤが
交換できますね、など)を発言したらどんな空気になるのだろうと。そう
考えるとドキドキしてきてまだかまだかと順番を待っていたのですが、
私の隣のおばさんが、代表者さまの教えのおかげで娘の結婚が
決まりましたとか、俗世の人間にはよく分からない発言をして、
物凄い拍手喝采が起こり、集会はまさに興奮の坩堝と化し
ました。
このタイミングで私がちょけた事を言えば、どえらい事になるので
びびってしまい思わず超模範解答(自然のエネルギーを知ることに
より、草木、水や空気の大事さが分かりうんぬんかんぬん)と教義に
沿った事を発言した為にさらに会場の興奮は増し、最高のバトンを
代表に渡すはめになったのです。
集会後に様々な人から若いのにこの世の真理に目覚めて偉いなど、
絶賛された為、恐怖を覚えた私はこの新興宗教団体から距離を
置くことにしました。
その他、この宗教を通して仲良くなった音楽好きの若いOLの女性
が、待ち合わせ場所に軽トラックで来るなど、楽しい事もいくつか
ありました。







