見ての通りの三段オチのお題です。三段オチではリズムを大事にすること、ネタ振りの部分、ホップステップの部分を無視しないこと、この2点が肝心なところです。
両方の条件を満たそうとするとなら1文字で落とすのが理想なのですが、それだとボケになりづらいものがあるのは事実です。次善の策ということでもないですが、ここではお題の枠組みを壊さない程度に何かを足していくか、または、何らかの形で外していくという方針になるかと思います。
ただどちらの場合も「過剰」はいけません。むしろ「最小限」を目指すべきです。足していくにしても、足したいものを削いで削いで、最小限何が残るかというところまで切り詰めていってほしいものです。表現を抑制して、余白で語るボケにするのが味わい深いでしょう。その意味では、「足す」といっても「引き算」の発想となります。「引き算の足し算」です。外していく場合も、考え方は同じです。
たとえば北朝鮮らしさを出そうとするあまり、ただ単にかの地かの国に関するキーワードを混ぜ込むだけというのは最悪です。断片的な情報をあげつらうだけではおのれの底の浅さを露呈してしまうのが関の山です。いい年のおっさんが若い社員にウケようとカラオケでGLAYを歌うかのような見苦しさがあります。慎みましょう。
ところで実際問題として、北朝鮮にプロサッカーがあるのか、という素朴な疑問があります。(私は韓国にKリーグがあるのかもよく知りません) そこを取り上げて、ネタ振り部分 ―それは“プロ”でも“サッカー”でも“リーグ”(またはそれらの組み合わせ)でもいいのですが― を「否定」するというやり方もいいでしょう。(「外していく」というのが、ほぼそういう意味になるような気もします。) ただ、まじめに否定、または疑問を呈していってもボケとは受け取られませんから、表現にひと工夫が必要ではありますが。屁理屈に聞こえるかもしれませんが、これは「無視」にはなりません。そこを否定することで、ネタ振りを生かすことになっているからです。
メタなレベルでボケる、というやり方、すなわち、お題の内容からいったん離れて、こういった問いがどういった状況で、どういった人物によって発せられているかを設定した上でそれに対して返答する、という方法もありますが、私はこのお題についてその方法を採るのは好ましくないと考えます。お題のいいリズムがどうしても崩れてしまうからです。正攻法を学ぶのがやはり先決ではないでしょうか。
冒頭に述べた条件を考慮するのはもちろんのこと、「北朝鮮のプロサッカー」というものをまじめに考え、その上でその姿に最もふさわしく、かつ短くすっきりとしたリーグ名、もしくは考えた上での何らかのコメントを付ける以外にはここのボケとしてありえないように思います。