初めて読んだ、大江健三郎さん、思いっきり、力を込めて、面白かった。

 

読解力の程度の問題だけれど、私の場合はこれはこういう意味だったのかな?といちいち振り返りながら読み進めるが、味わい深くて、よく噛まなくちゃと思わせられる。

 

世間と芸能人を知らない私でさえ伊丹十三さんの自殺のニュースは記憶の中に残っていたので、その当時を懐かしく思い出しながら、どこまでが本当で作り話かを想像せずにはいられない。

まんまと伊丹作品を再度みたい衝動にさせられている。

 

で、結局この作家はこの作品で何が言いたいのかを、夜うつらうつらしながら布団の中で考えてみた。チェンジリングって題名にしているけれど、読了直後はなぜそれがタイトルにしたのかわからなかった。

最後の文章で、作者の伊丹さんの死や自身の死や老いへの悲しみ、淋しさががじんわりじんわりとこちらに伝わってきたので、とりあえずその余韻に浸ることにする。

 

 

一度書いた文章を、また一日10時間もかけて全部描き直すと本文の中にあったが、Wikipediaでも同じように書いてあった。

だから自然のリズムはないと。

確かに、のどごし重視ではないので流れるように読むものではないのかもしれないが

最近よむ文章で面白いと思うのは、こういったおじさまがた。

橋本治、加藤典洋

世代による日本語教育の違いかしら?

綴る文章が洗練されていて素敵である。

 

私は歌謡曲でも男性が書いた詩の方が惹かれることが多く、固い文章の方が好きなのかもしれない。