基本図は前回と同じく下図(△33角まで)です。

 

 

前回は△82飛型でしたが、今回は▲74歩のケアのために△84飛と浮いておきます。

 

基本図から、▲16歩△85歩▲76飛△84飛▲58金左△22玉▲15歩△12香▲77角△11玉▲17桂と進めた下図を第一図とします。

 

 

この第一図から今回も分岐を見ていきます。

 

(1)△15角▲25桂

 

(A)△51角

 

▲65歩△22銀▲74歩△同歩に▲13桂成と飛び込みます。

 

 

△同香▲同香成△同桂▲14歩△12歩に▲16飛と回れるのが、前回との違いになります。

 

こういう筋があるので、△85歩~△84飛と▲76飛の交換がどちらが得だったのかが、微妙なんですよね。個人的には石田流の得な気がします。

 

 

以下、△32金▲13歩成△同歩▲同飛成△21玉に過激に行くなら▲22竜△同金▲14桂、▲22竜に代えて▲16竜と引いておいても石田流が十分です。

 

 

(B)△24角

 

▲74歩△同歩▲65歩△22銀に▲26飛が浮き飛車を活かした動き。▲13桂成の後に、好きな時に▲24飛と切っていく手を見ています。

 

 

以下、△32金▲13桂成△同香▲同香△13歩▲24飛△同歩▲41角△31金▲23角成が一例で、石田流勝勢です。

 

 

(2)△22銀▲25桂

 

(A)△51角

 

基本的に前回と同様で、▲65歩と角道を開いた後に▲13桂成と飛び込める形なので、先手よしです。あえて扱うなら▲65歩に△33桂ですが、▲同桂成△同角▲同角成△同銀▲74歩と攻めます。

 

 

△同歩は▲66角があるので△44角と打ちますが、▲77角△74歩▲44角△同歩▲25桂△22銀▲55角と攻め続けて石田流よしです。

 

 

(B)△24角

 

▲65歩△32金▲66角△51金に▲68銀が渋い好手。▲74歩△同飛の飛車交換後の△69飛が両取りにならないように備えています。

 

 

次に▲74歩が飛車取りにもなりますが、△54飛なら▲86歩△同歩▲同飛△84歩▲82歩で石田流十分です。

 

 

(C)△55角

 

前回と同様に▲67金でも石田流が指せます。

 

また、今回は▲65歩があり、△77角成▲同桂に△32金は▲74歩△同歩▲66角△82飛▲13桂成。

 

△32金に代えて△44角は▲68銀△51金右▲46角で次に▲74歩を狙います。△51金右に代えて△24歩なら、▲13桂成△同銀▲23角があります。

 

 

(D)△44角

 

これも前回と同じ▲46歩でも石田流が指せますが、上の(C)と同様に▲65歩もあります。変化は同様です。

 

 

(3)△22角▲25桂

 

前回と殆ど同じ筋なので割愛します。

 

 

さて、ここまで△84飛型を見てきましたが、▲66角のラインに入る事もあり、居飛車側にあまりメリットがなかったように見えました。むしろ石田流が浮き飛車に出来ている事のメリットが目立った印象です。

 

次回は△82飛型に戻して、尚且つ端歩を受けた形を考えてみます。