朝起きて飯をつくって新聞を読む。

「これ、ネタになりそうだ」と思うとビリッと破って、ふと気づく。

 

 もうネタ探しの必要はないんだ。

 

 なんやかんや仕事中毒だったんだな。基本的にこの海辺の町の「記事を書く」ことが生活の中心だった。

 整理部や支局のデスクで原稿を書かなかった時期、精神的にしんどくて、やりがいを感じられなかった。

 それほど「書く」ことが大切だったんだ。

 

 でも今後はそれがない。その喪失感は大きい。

 

 それじゃあなぜやめるのかって?

 65歳でやめたら後がない。喪失感とともに人生が終わってしまう。

 今ならまだ、会社員記者とちがう生き方を模索できる可能性がある。

 

 ダメかもしれないけど。

 

 退職金はいくらかなぁ、年金はいくらかなぁ、と計算して、想定していたより多いことにホッとする半面、カネの問題はそれほど重要じゃないんだよなぁ……と思ってしまう。

 うーむ、堂々巡り。