ちょっとうれしいことがあった。


今日、お土産と夕食の買い物へ出かけたときのことである。

帰り際、パンを買いPaulに立ち寄った。

いつものように、パンと、旦那のお土産にケーキをひとつ頼み、顔をあげると。

目の前にバターが並んでいた・・・・


そう、それはちょうど2日前の土曜日。

Paulで初めてランチをした。

メニューはいかにもフランスのカフェ!!

味もそこそこで雰囲気もよい。

そして、何より印象に残ったのが、パンと一緒にだされたバター

めったにパンにバターを塗らない私だが、旦那に勧められ、バターと共にパンを食べると・・・

おいしいぃラブラブ

バターがほどよくやわらかく、しかも甘い。でも、こってりとしすぎていなくてちょうどいい!!

よし、パンとバターをいただきに、またPaulに食べに来ようと決心したのだった。


そして、今日、そのバターが私の目の前に、何個も並んでいた。

せっかく、パンを買ったのなら、おいしいバターで食べたい!!どうしても、食べたーい!!!


ラッキーなことに、私の対応は優しそうな男性の店員さん。笑顔もステキ。

図々しいのを承知で聞いてみた。


「すみません、このバター買えますか?」


あいにく、答えは「No」

お兄さん、そんなことを聞かれたのは初めてという顔をしていた。


そうよね、そうよね、バターなんて売ってないわよね。

食事にきたお客さん用に決まっているじゃない、おバカさんなHammy。




レジで、イライラして感じの悪い店員さん相手に会計をしていると、


さきほどの優しい店員さんがどこからともなく現れ、

私のパンの袋の中に、こっそりと何かを入れたのだ。


そして、私を見て、にこりと微笑み、その場を立ち去った。



それが何か、私には見なくてもわかった。



ふふふ、彼ったら、私のセクシーさにくらくらしちゃったのねー。

もう、困るわー。

私ったら罪な女。


と、髪を靡かせながら、自信満々に店を出た。


わけもなく、


彼の優しさで胸がじーんとなり、店を出る前に振り返り、彼の姿を探し、

「Thank you」、声を出さずに口を動かして伝えた。


昨日の記事でも触れたが、

ここドバイではサービスのサの字も感じられない扱いを受けることが少なくない。

最近では、冷たくされることにも慣れたし、特に期待もしない。

でも、こんな風に優しくされると、心からうれしいし、私もできるだけ人に優しくなろう!!と思える。

そんなことを思えるのも、本当に久しぶりだ。

Paulの君、ありがとう!!



帰りの車の中で、ある思いが頭をよぎる。


もしかしたら、彼は同郷の匂いを感じとったのかもしれない。

*私、顔が南国系なので、よくフィリピンやタイ人に間違えられます。

いや、バターが買えないほど貧しそうで、かわいそうに思ったのかもしれない。


どちらにせよ、今日は彼のおかげでおいしいパンとバターにありつけます。



                                 人間捨てたもんじゃないよバター