※  妄想小説です
実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません
BL的表現を含みます。








「きっつぅ〜」

「じ、地味な動きですけど…け、結構きますね」

放課後、俺達5人は部室でトレーニング中。

今は体幹を鍛える動きを繰り返している。

見た目は地味だがやってみると意外にハード。

「ダンスするのに軸は基本だから
こーゆーのはちゃんとしないと」

そう言って智くんが色々教えてくれる。

「そうだ。このポール
引き取ってくれる業者さん見つかったよ」

一通り終わって休憩していると、智くんが報告してくれた。

「良かったじゃん!」

「うん。明日の夕方にでも取り外しに来るって。
翔くん、時間ある?」

「明日は大丈夫だよ。部活にも出るし」

「俺も出るよ」

松潤がそう言うと

「私も出ます」

「俺も出るよ〜」

ニノと雅紀が続いて言う。

「よしっ!じゃあ練習再開すっか」

松潤の号令で皆んな立ち上がる。

事前に智くんには、母のコレクションである
ヤマアラシの映像を渡しておいた。

最初に決めた曲の振り起しを智くんがしてくれることになっている。

「どう?智くん
振り起し出来てる?」

俺が聞くと

「うん。翔くんから借りたやつで大分わかったよ
それとさ、おいらの通ってる教室の先生なんだけど
ヤマアラシの振り付け、完コピ出来るって」

「え?そうなの?なんで?」

「うーん、ヤマアラシが踊りたくて
入ってくる人もいて。
それで、人気のある曲は教えてるんだって」

「え!それならその先生に教えてもらえれば…」

「それだと、皆んなでダンス教室に通うことになるだろ?レッスン料かかるぞ」

皆んなで、うーんと頭を抱える。

プロの先生に教えて貰うのは魅力的だけど…

俺達は部活としてやってるわけで…

かといって、智くんに全部任せるのは智くんにとっても負担があるよなぁ…

それにレッスン料かぁ。どの位かかるのかな?

皆んなで考えていると

「ここは思い切って、
智のダンス教室に通おうよ!」

松潤が立ち上がってそう言う。

「え?俺ら、智以外ダンス未経験者なのに?
ダンス教室なんてついていける?」

雅紀が不安そうに言うと

「それ、逆なんじゃないですか?
未経験だから、プロに一から教えて貰うのはアリだと私は思いますね」

うーん。ニノの言うことに一理ある。

「智くん。ダンス教室の先生に俺らの事
聞いてみてくれない?
あと…レッスン料とかも」

「そっか?
おいらが覚えて、皆んなに教えようと思ったけど
取り敢えず、ダンス教室の先生に聞いてみるよ」

「うん、お願い」

智くんの前でお願いのポーズをとる。

ん?

なに、智くん

ちょっと赤くなった?

「ねえねえ、翔ちゃん
俺、トレーニングのメニューとか
組み立てるの考えて良い?」

「あ、松潤、それなら俺も得意!
一緒に考えよう!」

松潤と雅紀がトレーニングメニューを考えてくれることになった。

松潤は中学まではサッカー部だったし、雅紀はバスケで鍛えてる。


そして数日後、智くんから嬉しいお知らせがあった

「皆んな〜、おいらの通ってる教室の先生が
特別に教えてくれるって〜
しかも、格安で!!」

「「「「えー!すごい!」」」」

金額を聞いたら、それじゃあほとんどボランティアじゃん!って額だった。

「智くん、良いのかな?
そんな甘えちゃって…」

「うん、それがね、条件があって…
皆んなでレッスンする所を、撮りたいんだって」

え?

撮りたい?

「なんか、今後生徒を集めるのに
役に立つからって」

智くんがそう言うと、

「良いんじゃないですか。撮ってもらっても。
それ、我々も見られるんですよね?」

「 あーうん。DISCに焼いてくれるらしい」

「なら、良い事尽くめじゃないですか」

確かにニノの言う通り、俺らにとっては
めちゃめちゃ有難い。

「雅紀はどう?」

「うん。俺達何にも知らないしね。
通わせてもらおうよ」

5人顔を見合わせて頷きあう。

来週から週1回ダンス教室に通う事になった。

夜の部は生徒数も多いので

普段部活をしてる時間に行く事になってる。

その方が、比較的生徒数が少ないらしい。