最後の中望遠レンズは”Nikkor AI 105mm F2.5”です

このレンズは実は２台目で，はじめに買ったのはレンズ構成がゾナータイプの旧製品でした

私の買った初めての交換レンズで28mmF3.5と同時でした

その後，ヤシカコンタックスのPlanar85mmF1.4を買った時に売ってしまいました．あまりにもPlanarに惚れ込んだせいで，ほぼ同じ105mmは必要ないと思ったのです

でも時間が経つとニコンのポートレートレンズとして令名の高い105mmはやっぱり気になってきて，それとなく探していたところ福岡で巡り合ったのです

つまり，写りが違うのでしょうか？？　今となっては昔のレンズの写りを覚えていませんし，デジタルでの写りは昔とは違うかもしれません．また，ゾナータイプは85mmF2のJupiter9もあることだし違ったタイプに興味があると言えばあります

さらに言えば，Vega-12b(90mmF2.8)もまた違った感じだし，，，どっちにしろ，このレンズの写りを受け入れるしかないのですが，，，結論を先に言ってしまうと「すきなレンズです」

なので，みてみましょう

まず，遠景

遠いところを拡大すると

この日も雨で霞んでいますが遠いビルの輪郭は崩れていません

これも拡大すると

遠くまで電線がはっきり写ってますし，ビルもちゃんと見えてます

無限遠の絵は全く問題なくハッキリしています

つぎに少し寄ると

赤い色がCanonとはまた違ってソリッドな感じというか，緻密な感じです

少し密なかんじですか，，

色合いがカラフルですが端正です

ひとことで言えば「端正」ですか．でも「真面目一方」ではありません

必要十分な表現と言いますか，，

次にクローズアップ

このレンズも1m位が限界のためあまり大きくはなりません

全てに言えることですが，中庸で破綻がないのにつまらなくなってはいない

ちゃんと素敵な魅力に溢れています

フレアっぽいですが乾いてはいません

後ろのボケが柔らかく少し軽みがあるようです

ライトのアクセントがきれいに光ってます

フレアっぽさが要らぬ緊張感をなくして親しみを感じさせます

逆に強いコントラストと濁りのない色合いがドラマチックにもなります

前景のボケ具合も素直でジャマになっていません

光の玉が美しく丸く光ってます

ピント面の繊細さとボケ味の暖かい柔らかさが，色再現性の端正さと相まって心に迫ります

「Nikkorでは優しい絵は撮れない」なんていう声を聞くことがあります

昔は私もそう思っていました．そのころはネオパンFとかTriXとかの硬調な白黒フィルムを使っていました．現像ですこし軟調に仕上げても焼くときはやっぱり硬調な印画紙をつかいました．モノクロームの写真はすこし硬調なくらいがドラマチックで感動的です

時々はエクタクロームやコダクロームのカラーリバーサルを使ったりもしていましたが色合いを十分に生かし切ってはいなかったようです．今思えば結構優しい写真が撮れていたのですがモノクロと比べてなんか物足りなく思っていたようです．若気の至りなのでしょう

デジタルの表現は印画紙やスライドとは違って，レンズのすこし別の可能性を見せてくれるようです

Nikkorも今まで見てきたとおり硬調一辺倒なわけではなく，コントラストの強さはあるものの繊細さや優しさと色の美しさが十分感じられるレンズだと思います

力強く，繊細で，優しい，素晴らしいレンズですね

色味も濃すぎずに美しくいいですね〜〜

やっぱり手放せません