今回も、放送をしながら送信施設を更新(移転)した実績はあるか調べてみます
関西地方を放送対象地域としている、AMラジオ局3局について見てみます
送信出力50kW(大規模)です
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MBSラジオ
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MBS1179 毎日放送高石送信所(大阪府高石市西取石6丁目6-45)
周波数:1179kHz
空中線電力(出力):50kW
ーー 沿革 ーー
1950年(昭和25年)
12月:新日本放送株式会社開局
1951年(昭和26年)
9月:本放送開始(苅田ラジオ送信所:周波数:1210kc、出力10kW)
<<民放では日本で2番目>>
【余談】
1951年(昭和26年)
4月:中部日本放送(現・CBCラジオ)他15局と共に予備免許が交付
7月
8日:新日本放送が日本初の民間放送として試験電波を発射
31日:本免許交付
9月
1日:本放送開始
6:30~ 中部日本放送(現・CBCラジオ)放送開始 <<民放初の本放送開始>>
12:00~ 新日本放送(現・MBSラジオ)放送開始
1958年(昭和33年)
6月:新日本放送の商号を「株式会社毎日放送」に改称
1959年(昭和34年)
10月:ラジオの出力を20kWに増力
1961年(昭和36年)
6月:高石送信所から放送を開始
(苅田ラジオ送信所(大阪市住吉区苅田町4丁目)より移転)
1971年(昭和46年)
11月:ラジオの出力を50kWへ増力。
1972年(昭和47年)7月1日の改正計量法により表記が変更
施行前:kc/s(キロサイクル毎秒)又はkc(キロサイクル)
施行後:kHz(キロヘルツ)
周波数が1210kHzと単位の表示が変更
1977年(昭和52年)
5月:周波数変更(1180kHz)
1978年(昭和53年)
11月:10kHz間隔だったラジオの中波放送(AM放送)の周波数が、ITU(国際電気通信連合)の取り極めで、周波数が9kHzステップへ移行(11月23日午前5時をもって、周波数を1179kHzに変更)
2016年(平成28年)
3月:朝日放送ラジオ・ラジオ大阪と共に、奈良県生駒市の生駒山にある生駒FM補完中継局からFM補完放送(ワイドFM:90.6MHz・出力7kW)を開始
2018年(平成30年)
7月29日 -(28日深夜)午前3時半頃〜午前6時10分まで、台風12号の影響で高石ラジオ送信所に落雷があり、約2時間半中波での放送が停止した。落雷による放送停止は同社が1951年にラジオ放送を開始して以来初めて。茶屋町の本社にある予備送信所を使用して代替放送したが、出力が1kWなため電波は大阪市内と北摂地域周辺にしか届かなかったと見られる。なおFM補完中継局やradikoでの放送に異常は無かった。
2021年(令和3年)
4月:「株式会社MBSラジオ」に変更
1961年(昭和36年)6月、ラジオの放送をしながら、送信出力20kW(中規模)での移転実績があったことが確認出来ました
しかし、送信出力が50kWになってからの情報はありませんでした
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朝日放送ラジオ
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朝日放送ラジオ高石送信所(大阪府高石市綾園4丁目4番17号)
周波数:1008kHz
空中線電力(出力):50kW
ーー 沿革 ーー
1951年(昭和26年)
3月:朝日放送株式会社設立
11月:本放送開始(堺ラジオ送信所:周波数1010kc、出力10kW)
<<関西地区の民間放送局としては2局目、日本で3番目>>
1959年(昭和34年)
10月:ラジオの出力を20kWに増力
1960年(昭和35年)
11月:高石送信所から放送を開始
(堺ラジオ送信所(堺市築港南町(現在の同市堺区築港南町))より移転)
1971年(昭和46年)
11月:ラジオの出力を50kWに増力
1972年(昭和47年)7月1日の改正計量法により表記が変更
施行前:kc/s(キロサイクル毎秒)又はkc(キロサイクル)
施行後:kHz(キロヘルツ)
周波数が1010kHzと単位の表示が変更
1978年(昭和53年)
11月:10kHz間隔だったラジオの中波放送(AM放送)の周波数が、ITU(国際電気通信連合)の取り極めで、周波数が9kHzステップへ移行(11月23日午前5時をもって、周波数を1008kHzに変更)
1989年(平成元年)
4月:ラジオの通称を「ABCラジオ」へ変更
2008年(平成20年)
現在の新ロゴ(4代目)登場記念として、11月30日・12月1日の2日間、局内の社員食堂の昼食が無料
2016年(平成28年)
3月:MBSラジオ・ラジオ大阪と共に、奈良県生駒市の生駒山にある生駒FM補完中継局からFM補完放送(ワイドFM:93.3MHz・出力7kW)を開始
1960年(昭和35年)11月、ラジオの放送をしながら、送信出力20kW(中規模)での移転実績があったことが確認出来ました
しかし、送信出力が50kWになってからの情報はありませんでした
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大阪放送
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大阪放送堺ラジオ送信所(大阪府堺市東区石原町3丁目8番地)
周波数:1314kHz
空中線電力(出力):50kW
ーー 沿革 ーー
1958年(昭和33年)
5月:大阪放送創立
7月:本放送開始(堺送信所:周波数1380kc、出力3kW)
1959年(昭和34年)
8月:ラジオの通称を「ラジオ大阪」へ変更
10月:ラジオの出力を20kWに増力
1961年(昭和36年)
9月:台風18号(第2室戸台風)のため、堺送信所のアンテナ倒壊(翌日、仮アンテナで放送復旧)
12月:堺送信所のアンテナ復旧工事完了
1971年(昭和46年)
11月:周波数を1310kcに変更、ラジオの出力を50kWに増力
1972年(昭和47年)7月1日の改正計量法により表記が変更
施行前:kc/s(キロサイクル毎秒)又はkc(キロサイクル)
施行後:kHz(キロヘルツ)
周波数が1310kHzと単位の表示が変更
1978年(昭和53年)
11月:10kHz間隔だったラジオの中波放送(AM放送)の周波数が、ITU(国際電気通信連合)の取り極めで、周波数が9kHzステップへ移行(11月23日午前5時をもって、周波数を1314kHzに変更)
2016年(平成28年)
3月:MBSラジオ・朝日放送ラジオと共に、奈良県生駒市の生駒山にある生駒FM補完中継局からFM補完放送(ワイドFM:91.9MHz・出力7kW)を開始
アンテナ倒壊による復旧工事の情報はありましたが、移転実績の確認は出来ませんでした
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調査結果
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ラジオの放送をしながら、送信出力20kW(中規模)での移転実績があったことが確認出来ました
しかし、送信出力50kW(大規模)での移転実績は確認が取れませんでした
SEIの考えです
1958年(昭和33年)12月23日:東京タワー竣工
1960年(昭和35年)11月:朝日放送ラジオ高石送信所から放送を開始
1961年(昭和36年)6月:MBS1179 毎日放送高石送信所から放送を開始
1961年(昭和36年)12月:大阪放送堺ラジオ送信所のアンテナ復旧工事完了に伴い放送開始
東京タワーだって、現在も現役で働いております
このことから、関西地方を放送対象地域としている、AMラジオ局3局の送信施設は、送信出力50kW(大規模)になってからの移転実績は無いと思われます
それにしても、民間放送の歴史は、西日本からなのですね
CBC(愛知県)から歴史が始まり、MBS(大阪府)、ABC(大阪府)と続きます
何故、首都である東京の放送局が後発になったのか
不思議です
次回は、関東地方のAMラジオ局3局について見てみます
続きはまた
この記事は、SEIが自分なりに調べた内容と、勝手に解釈した内容で記載しております。
内容に誤りや、誤認識等あると思いますので、あくまでも個人的な記事として見ていただくか、間違え等お教えいただければありがたいです。