将棋には8種類の駒がありますが、最も強い駒と言われて何を思い浮かべるでしょうか?ほとんどの人が飛車や角を想像すると思います。しかし、将棋のルールに則って考えてみるともっと強い駒があります。今回はその駒について解説していこうと思います。

まずはとあるプロ棋士の先生が付けた駒の価値を見てみましょう。
 
こんな感じです。棋士の先生によって多少の差はありますが、順位はだいたい同じ。
これを見ると「やっぱり飛車と角が最強じゃないか!」と思うかもしれません。しかし将棋は(基本的に)価値のある駒を集めて点数を競うゲームではありません。
 
では将棋は何をするゲームなのかと言えば、原則的に「相手の玉を詰ます」のが目的です。そのためには邪魔になる相手の守りの駒を減らして行かなければなりません。が、相手も守りの駒をタダで取らせてくれるわけはないので、こちらの攻めの駒と交換しながら削っていくのが基本になります。
 
そこで駒の価値が問題になってきます。守りの要と言えば金ですが、その6点の金を剥がすのに10点や8点の駒と引き換えにしてはどうでしょうか?それで勝負が決まるところまで読み切って居れば良いですが、そうでない場合は6-8(6-10)で成果は普通にマイナスです。
かといって金銀で交換を挑んでも、駒の価値は大体同じで損得なしな上に相手はその駒を再度打てるので補強されてなんと進展なし。不思議!!!
 
となると桂香や歩しか残っていませんが、これらで相手の金銀と交換するのは工夫が必要で、一筋縄では行きません。桂馬の両取りや香車の田楽指し、ダンスの歩などの手筋を食らってくれればよいのですが。
 
じゃあ他に駒ないじゃん!結局何が言いたいの!!!と思ってる方もいらっしゃると思いますが、将棋にはまだ駒がありますよね。
そうです、成駒です。龍と馬を除くと動きはすべて金と同じです。なので相手の守りの金や銀にぶつけていくと、金の動ける範囲が広いため放置すると脅威になりやすく、相手の守りの駒と交換にもっていきやすいと思います。
 
この成駒と守りの駒の交換になったときが今回のお話の核心。こちらの攻めの金銀と相手の守りの金銀の交換なら損得がほぼないのですが、成駒と相手の金銀が交換になった場合、なんと相手はとった駒が金ではなくなります。なので、駒の価値だけで言えば一方的に大損させることが出来るのです。
 
となれば、何が一番相手に損をさせられるか?と考えた時に「もっとも価値の低い駒」である歩兵が成った「と金」が、駒の価値ではもっとも相手に損をさせられる駒となるわけです。その上、相手はその取った歩が打てないことさえあります。(同じ列に歩を2枚使うと「二歩」という禁じ手になるため)
 
そんなわけで、相手の守りの駒を削っていくという目的で考えるなら「歩兵が成ったと金」がもっとも強いのではないでしょうかということでした。自分が使っているときは金将、相手に渡したら元の歩に戻る。こんな便利で強い駒を使わない手はありませんね。なにせ相手の守りの駒と交換したあとにその歩で囲いを補強されることがほとんどないのですから。是非この便利な駒を積極的に使っていきましょう。
 
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