6連が始まる




リンクサイドに
一番最後に現れた彼


それも計算のうち…


と、後になって思う


6連を
自分の時間にするための準備
自分の舞台のために




リンクに入った時から
もう始まっていると感じた


張り詰め方が
ショートの時と違う


どんな様子なのか
一瞬モニターを見たが
すぐに視線を外す


表情が見えなくても
モニターは見ない


カメラ越しのあなたを
見に来たのではない




午前の練習で
何度も繰り返していたと
見ていられなかったと聞いた
最初のエレメンツ
6連でもこだわり続ける姿に


大丈夫
大丈夫…


そう心の中で言い続ける





演技が始まる


気迫を感じるコレオと
スケーティング


それらは最初のエレメンツへ
こだわり続けたジャンプへ向かう序章


その瞬間へと凝縮していく空気
会場全体から注がれる
観客の熱い視線


リンクを覆った圧力に
真っ直ぐに風穴を開ける
4Lo を着氷した瞬間


張り詰めた空気が
歓声と共に
一気に解放される






その時に


もう大丈夫
Origin の完成形が始まる


と思えて


その後のセカンドジャンプ
4S が乱れても
もう気持ちが揺らぐこと
はありませんでした





FCCoSP
StSq
3Lo
4T


覚えておいた今回の構成を
自分の目で確かめたくて
エレメンツのひとつひとつと
その間のトランジション


見逃さないように
確認するように


彼の姿を追う




4T+3A+SQE

また一段と大きな歓声が上がる



3F+3T
3A+1Eu+3S

最後のコンビネーションジャンプ
が決まって緊張が解けると 
身体の芯が震えだす




ChSq 
コレオシークェンス


溢れだしそうになる
感情と涙


無理に抑えようとすることも
集中を途切らすことになる


集中して
ちゃんと見るんだ
最後まで!


彼がここで見せようとしている
彼の証明を
最後の最後まで


FCSSp
CCoSp


美しく変化する
彼のスピンが


フィニッシュへと加速していく…








なんてひとなんだ


これほど
心震わせる演技を


この場でやり遂げてみせる


フィニッシュ直後
やり切ったと
拳を握りしめる


その姿を


困難を乗り越え
闘い抜いた
己れに勝った


そのひとを
ずっと見ていたい


そう思いました











表彰式


細い身体
キラキラと光る
その後ろ姿を


点数なんてどうでもいい


そう思いながら
羽生結弦選手だけを
見ていました




国旗を手に周回してきたあなたが
私の席の真下に来たとき


あなたに
おめでとうと言ってから


そっか…
あんなに素晴らしい演技だったのに
あなたはきっと嬉しくはない


「おめでとう」 じゃない


そう思って


「ありがとう」と言い直しました










最後に…



世界選手権が終わってからの
ジャッジに関する記事を読んで感じた
私の意見を書いておきます



フィギュアスケートの点数
良し悪しの評価を決めるのは
ジャッジの主観です


感情を持つ人間が
見た目で判断して
それを点数で評価する


そのジャッジがつける点数に
全員が納得することは
絶対にないと
フィギュアを見始めたころの
旧採点方法の時から
ずっと思っています


フィギュアスケートを見ている
全てのひとが
同じ感覚を持っているとは限らない


それが正当なジャッジかどうか
その判断しているひともまた
正当なのかわからない


そもそも
主観による点数のつけ方を
平等に統一化することなど
出来るわけがないと思っています






フィギュアスケートは
ジャッジが主観でつける点数で
勝敗が決まる


このルールだからこそ
勝つことが
勝ち続けることが
とても難しいスポーツだと思います


そこで
勝ちにこだわり続ける彼の想い


自分が一番好きなスケートで
圧倒的な強さで
その困難に打ち勝ってこそ
本当の意味で自由になれる





ライバルと競うのは
点数だけではなく


困難なことを
どうクリアしていくか


自分で考えた方法で
練習を重ねて身に付けた
技術を使って


自分のこだわりを貫き
自分のメソッドで
勝利すること





それは何にも代え難い
最上の歓びなのかもしれないと…




その気持ちならば
ひとと競うことが苦手な私でも
わかるような気がします



 


羽生結弦選手の
試合を観戦してわかったことは


フィギュアスケートの点数で
彼の演技を表すことなど

出来るわけがない



ということ







私が彼に堕ちたのは

表彰台の一番高い場所に

いたからでもなく

彼が王者だったからでもない



私が堕ちたのは

あのファントム達



COC  N杯  GPF  全日本



点数で表すことの出来ない

羽生結弦選手が持つ魅力



そこに私は堕ちたのだから



どうしようもなく

惹かれ堕ちたのだから



正当な評価が出来るはずもない

ジャッジがつける点数は

私の想いとは別のもの



そう思ってしまう私は



フィギュアスケートで

勝ちたいと思うあなたに

相応しいとは思えなくて



やはり距離を置く方がいい







そんな私でも



今も勝つための努力を惜しまず

過ごしているあなたを想う



その努力が報われて欲しいと思う



最上の歓びを手に入れて欲しいと



そして


心を震わせるほどの
羽生結弦選手の演技は
点数を競う試合だからこそ
生まれる


不安定な点数での評価に
真正面から立ち向かう姿


なぜそんなに一途なのか
諦めずに
立ち向かって行くのか…


仕方ないと諦めて
受け入れるばかりの私は
その答えを
見つけたいのかもしれません






羽生結弦選手のことを

言い表すことの難しさ



どんなに考えても

私の言葉では追いつきませんが





大好きなフィギュアスケートで

難しいジャンプに挑戦して

頑張った自分の成果を

たくさんのひとに見て欲しい






幼い頃からの想い

その原点が

彼の中に

変わらずにあるのならば



そのシンプルな彼の希望に




うん


これ以上怪我をしない様に

練習、頑張ってね



画面越しにだけど

ちゃんと見るからね






そう答えたいと思います










心を掴まれ揺さぶられる

一番大好きな

羽生結弦選手のフィギュアスケート



主観に偏るような

盲目的な評価をしたくはありません






数字好きの二次元オタらしく

羽生結弦選手の

映像とデータを使って

フィギュアスケートのことを

しっかり学んで

知識を深めて




なぜ

羽生結弦選手の演技に

こんなにも惹かれるのか




その理由を

私自身が納得出来るまで




私の想い(主観)だけではなく

客観的に証明していきたい






主観に偏るジャッジや

疑心暗鬼な意見に対する

オタクのささやかな抵抗です









スケオタにはなれませんが

二次元オタクの名に恥じないように




次のシーズンの

羽生結弦選手の試合を

ちゃんと見るために




オタ活に勤しみながら

楽しみに待とうと思います










羽生結弦選手が

幸せでありますように




遠くより




願いながら…







あひくま


2019.4.23 記



ヘタレなので←こそっとアップ w

お付き合いくださいまして

ありがとうこざいました♡


ぺこり