「靨」という漢字一文字で「えくぼ」と読む。
音読みは「ヨウ」。
電子辞書に入っている『新漢語林』で調べると、同義のことばとして「靨輔(ようほ)」が出ていた。
「輔」は、「ほお骨」や「うわあご」の意味で使われることがある。
そういえば「陽輔」という経穴(ツボ)があったな。
でもあれって、頬の周りじゃないよな?
うろ覚えだけど
免許をとって10年経つと、そんなものだね、とは同窓生との「お約束の会話」。
久しぶりに経穴のポケットガイドで確認。
「陽輔」は足の少陽胆経に属し、下腿外側、腓骨の前方にあるツボでした。
「輔」は腓骨のことを指す、とある。
「輔」には「力ぞえ」「車のそえ木」という意味がある。
考えようによっては、腓骨は脛骨の「そえ木」と言えなくもない。
閑話休題。
「靨」の上半分を構成する「厭(えん)」には、「いとう」「いやがる」といったネガティブなイメージがある。
ついでに、「えん」という読みで「厭」を含む文字を、パソコンで入力してみようと考えたが。
魘、黶
素直にパソコンで入力できたのは、この2つだけ。
「魘」は「うな(される)」と読む。
「黶」は「ほくろ」「あざ」と読む。
部首はバラバラ。
「厭」は「厂」(がんだれ)準1級
「靨」は「面」(めん)1級
「魘」は「鬼」1級
「黶」は「黑」1級
そのほか『新漢語林』には、以下のような漢字が見つかった。
(ワタシの見落としかもしれないが、『漢検漢字辞典』には出ていないようだ)
「厭」の下に「食」(「あ(きる)」と読んで、「食べ飽きる」意味)
「厭」の下に「甲」(「蟹の下腹」「巻き貝の殻の口の蓋」の意味だそうな)
「厭」の下に「心」(「安らかで落ち着いているさま」「病みつかれるさま」)
「厭」の下に「木」(やまぐわのこと。この字と「桑」を並べて「えんそう」という言葉が出ていた)
「エクボ」って、普通はもっと簡単な字を書くよな、と調べてみると、「笑窪」とある。
そんなに簡単じゃないし、いきなり「書け!」って言われても、3分前までの自分だったら書けない。
「靨」のほうが、たぶん、覚えやすい。一文字だし。