先日、今年の自分を表す漢字は「未」だと書きました泣き笑い

 

 

さて、「未達の反省」と「計画見直し後の成果」を、備忘録として書いておきましょう。

大変長くなりますが、分割するのは性に合わないので、一気に行きます。

 

2021年6月20日のブログで匂わせていました。

 

 

この日受験したのは、漢字検定準1級。

今年達成したかった目標は、「漢検準1級合格」だったのです真顔

 

しかし、初受験の6月に落ち、二度目の10月も落ちました。

二度目の準備中に、「自分は間違った勉強をしているのでは?」と気付きましたが、遅すぎた泣

 

反省し、ひとつ下げた漢検2級のCBT (Computer Based Testing, パソコンで受験する) 受験で合格ニコニコ

準1級には及びませんでしたが、「合格」で年を締めくくることができました。

 

その反省の記録です。

 

 

【漢検受験を思い立つ〜 準1級 最初の不合格】

 

2021年3月下旬だったと思います。

Webサイトだったか、Web広告だったかで、漢検の問題を見かけました。

 

「あれ?この文字って中国語じゃないの?日本語にもあるの?」

それがきっかけで、ちょっと調べてみると。

漢検の問題には、中国の故事に基づく四字熟語や表現が頻出しているみたい。

中国語学習経験のあるワタシは、有利なのでは?

 

今どきはWebサイトにも、漢検の学習情報は溢れています。

ちょびっと調べて検討し、「いきなり」準1級を受けることに決めて、インターネットで申し込みました。

 

ワタシはそれまで、漢字検定を受けようと思ったことが一度もない。

なんなら、「物好きだなあ」と思っていたくらい。

 

理由は2つ。

ひとつには、母語である日本語なんか精進してどうすんの?と。

 

もうひとつには、漢字なんて、普通に読めれば十分!と。

筆順は無意味だと思っていたし(実は今でも思っているが)、コンピュータで入力するなら完璧に覚える必要はない。

 

いやいや、コンピュータが普及する以前から、わからなければその都度、辞書引けばいいじゃん!

覚えるのは、ムダムダグラサン

…と考える怠惰な人間だったのだよ爆  笑

だからこそ、コンピュータを覚えることに熱中したとも言える。

 

さて、はじめての受験は6月20日。

4月上旬に学習本を購入。楽天市場で買ったので、履歴が残っている。

「過去問の本」と「短期間で実力養成!」を謳った新書判のポケット問題集(以下、「ポケット本」)を買いました。

 

「過去問の本」は、準1級と1級が一緒になっていて、それぞれ3回分が掲載されている。

実は、2級以下と比べて著しくコスパが悪いことに、このときはまだ気づいていない。

 

いくらワタシが強気でも、いきなりの準1級が2ヵ月の学習で受かるとは考えていない。

そこで、過去問からの頻出事項に絞ったポケット本だけを徹底的に学び、ギリギリ合格できるかどうか?に挑みました。

 

というのも、ワタシは過去に、同様のコンセプトのIT系資格本の編集に関与したことがあるのです。

過去問を分析し、頻出問題だけを完璧に解ける(ほぼ丸暗記する)ようにすれば、あとは適当でも合格できる!はず!

…という、教育的には「それで、いいのか?」な資格本ニヤリ

 

今書いていて気づいたが、そのIT系資格はオールマークシートだったので、「あとは適当」があり得た。

しかし、漢検準1級にそれは通じなかったのであるガーン

 

そもそも「資格試験」が久しぶりだったから、なかなか学習のエンジンがかからない。

悪いことに、放送大学の通信指導も同じ時期。

手を動かして勉強する気になってきたのは、1ヵ月前。

それだって、飽きっぽいから、1日中勉強するわけじゃない。

朝のうちに、2時間くらい。

試験前の1週間は、もう少しやったけど。

 

検定会場は某私立高校。「上履き持参」が新鮮に思えました。

当日の感触では「ギリギリ受かったかも…?」でしたが。

 

153点。7点不足で不合格でした悲しい
 
漢検の2級以上は、200点満点で8割以上とれば合格。
8割「も」取らなくては合格できない試験というのは…過去に受けた記憶がない煽り
たいていは、7割か7割5分じゃなかったかなあ。
仮に「7割5分で合格」なら、ワタシも初回で受かっていたわけで、「8割」の設定が絶妙であることがよくわかる。
 
ちなみに、鍼灸マッサージ師の国家試験の合格ラインは「6割」。
今思うと、低いなあ目
オールマークシート方式だから、それこそ、自信のない問題は適当に塗っても受かるんじゃないの?と思ってしまう。
 
 
【自分の愚かさに気づいたが… 準1級 2度目の不合格】
 
今振り返っても口惜しいのが、2回目の受験準備泣き笑い
 
1回で受かるとは期待していなかったので、それはいいのです。
問題は、同じポケット本で、同じ学習方法をしてしまったこと。
 
1回目は、「あわよくば、ギリギリ合格」を狙い、「必要最低限の努力」を目指しました。
2回目は、もっと丁寧に、「王道の勉強法」をするべきだったと思います。
 
しかし「コスパのいい勉強」に拘ってしまったのでしょうか。
同じ「ポケット本」を繰り返した。
 
隅から隅まで覚えたつもりなのに、Webサイトで見かける準1級相当の問題がわからないことがある滝汗
うすうす気づいていて、目を逸らしていたことを、ようやく認めざるを得なくなった。
 
「もしかして、2級以下の漢字が含まれる問題が、ワタシにはわからないのでははてなマークはてなマーク
 
今考えれば当然なのだが、準1級だからといって、準1級の漢字だけが出題されるわけではない。
2級までの「すべての漢字」も、出題範囲。
外国語の検定試験なら当たり前すぎる「積み重ね」が、日本語の「漢字検定」にも該当するという「わかりきった事実」が、ワタシには見えていなかったのです泣き笑い
 
気づくのが遅かったので、あとは当日まで、「ポケット本」とYouTubeの動画で悪あがき。
 
そしてもう一つの誤りは、1回目の受験準備で解いてしまったからと、2回目は過去問をやらなかったびっくり
 
若い頃、ワタシは一度「過去問」をやってしまうと、答えをまるまる覚えてしまっていたのです。
だから、過去問を繰り返すことは、実質的に役に立たなかった。
 
その記憶が残っていたので、「同じ過去問をもう一度やっても、意味はなかろう」と考えたのです。
 
年をとるって、いいことですねえニヤニヤ
一度解いたはずの過去問でも、今見ると、「あれ?こんなのやったっけ?」とけろりと忘れているのですガーン
嗚呼、あのときに過去問を繰り返していれば…悲しい
 
初回の受験準備とひとつ変えたのは、許容字体を取り入れることにした点。
たとえば、「濤」は「涛」と書いてもオッケーなのである。
準1級以上には、こうした例がゴロゴロある。
 
 
2回目は10月17日。
「なんとか会館」という「大人の職業人が出入りする場所」だったため、土足でGo!
 
こんなことに左右されては情けないのだが、試験会場が「高校」だと、やはりアウェイ感が強い。
大学以上の「大人向けの施設」のほうが、落ち着いて受けられる、ような気がしました。
 
2回目の感触は、想定したよりずっと出来が悪くて、ショックえーん
ギリギリ落ちたかな、と思いました。
 
結果は、158点。2点足りずに、不合格。
ある意味、予想通りだったわけですが、「200点満点で2点足りない」イコール「100点満点換算なら1点足りない」
あまりにも口惜しくて、吐き気がしたわ。
もし本当に1点足りなくて不合格だったら、本当に吐いちゃってたかも。ゲロゲロ。
 
 
【仕切り直して…CBT受験を体験してみたい!〜 2級合格!】
 
「ギリギリ不合格かも」と感じた時点で、ワタシは「合否に関わらず」出直すことを決意した筋肉
 
まずは「コスパ重視」の勉強を改めることにした。
30年前ならおそらく、1回目の方法で、1回目に受かっていたと思う。
しかしワタシはもう若くない。
若い時と同じ手法、同じ期間で、同じ資格を手にすることは出来ないのだ。
 
それではどうするか?
「課金」である。
とりあえず、こんなものなくても合格できる!と思っていた「漢検要覧(1級/準1級対応)」と「漢検四字熟語辞典」を購入した。
 
次に、2級レベルの実力を固めることにした。
 
当初は、新型コロナのせいで海外旅行に行かれない憂さ晴らしを兼ねて、準1級にチャレンジしてみようと思っただけなのだ。
しかしワタシは、すっかり「漢検の虜」になってしまった。
 
試験勉強、特に「手を動かす」という行為には、邪念を払い、心を穏やかにしてくれる効果もある。
写経と似たようなもんだ。
と思うのはワタシだけか?
 
「いつかは、1級!」と願うようになり、そのためには「その場しのぎの準1級」ではダメだ!基礎固めが大事だ!と考えた。
 
さて、2級を受けるのか?
しかし、次は来年だぞ?
…と調べて気づいたのだが、2〜7級には、コンピュータで随時受験できる「CBT受験」がある!
 
よしよし、これで年内に合格を決めて、気分良く新年門松を迎えよう。
なにしろワタシは、漢字よりPCのほうがずっと得意筋肉
漢字の読みを書く問題なんて、手書きより、キーボード入力のほうがずっと速い。
 
すぐにでも受かる気でいたが、不合格通知が到着したあとのほうがよかろう(?)ということで、12月半ばの受験を申し込んだ。
あとで振り返ると、これは賢明だった。
 
まずは「過去問の本」、続いて「本番形式の問題集」を買ってきて、せっせと学習。
 
「過去問の本」は、準1級受験のときに買ったのと同じシリーズだが、同じ値段なのに13回分も収録されていて、びっくりした目
前に買ったのは、準1級と1級が一緒になっていて、それぞれ3回分しか入っていなかった。
コスパ、悪っ!!
 
実は準1級受験を決めた頃、世の中は外出自粛ムードだったため、ワタシは書店で本を選ぶことをまったくしなかったのだ。
準1級に2回落ちてからはじめて、書店の漢検本コーナーに足を運んで、驚いた。
1級・準1級はちょびっとしかないのに、2級以下の書籍は溢れるほどあるのだ ガーン
そういえば、英検も似たようなものだったなあ。
 
準1級と2級とでは、まったく出題形式が違うものがある。
たとえば、「部首」と「熟語の構成」。準1級には、そんなものはない。
 
ワタシは最初、部首の問題がまったく出来なかった滝汗
特に、「巡」「寧」みたいな「えぇ〜?そっち?」なやつ、
「美」のように「そんな部首、知らんがな!」なやつ、
「缶」「斉」「麻」のように「まんま、部首」なやつには、本当に泣かされた。
 
一方、「熟語の構成」は、中国語学習に助けられたようで、苦労はなかったチョキ
 
「準1級にギリギリ落ちた」はずなのに、当初は「2級の四字熟語」がダメダメなのも、情けなかった。
 
わからなかった四字熟語を、買ったばかりの「漢検四字熟語辞典」(早速役に立った!「課金」ってステキ飛び出すハート)で調べると。
2級どころか、準2級以下対応だったり、ひどいときには5級対応だったりしたのだ。
これにはさすがに、落ち込んだ。
5級って…小学校6年生レベルだぞむかつき
ガキでも知ってて当然の四字熟語がわからないとは…屈辱以外の何者でもない。
 
とはいえ、2級で問われる範囲は常用漢字。
常識的に社会人生活を送っていて、見たこともない漢字というのは、ほぼない。
(準1級だと、「ナニソレ?」というのがちょいちょいある)
1ヶ月半ほど、地道に問題集に取り組んだ。
 
CBT受験は、通常の会場試験と異なり、受験票が郵送されない。
身分証を持参して、直接、会場へ行く。
 
迎えた当日。会場は、某所のパソコン教室。残念ながら、藤沢市内ではない。
少しずつ時間をずらして、漢検以外のさまざまな試験を受ける人も、同じ空間で受験する。
周囲の人がパソコンを操作する様子が気になるタイプの人には、向かないだろう。
 
ワタシが受けた時間、漢検を受験した人はほかにいなかった。ワタシ一人である。
渡された情報を見ながら、パソコンを操作してログイン。
最初に「操作説明の映像」と「回答操作の練習」があって、本番が始まる。
制限時間はパソコンがカウントしてくれる。
 
回答には、パソコンのキーボード+マウスと、手書き用のタブレット端末を使う。
読み方や選択肢を入力するのはキーボードとマウス、漢字は専用ペンを使ったタブレット、と使い分ける。
 
通常の筆記用具は持ち込み不可である。
ワタシは問題用紙の余白に落書きしているうちに正解が思い浮かぶことが多いので、こりゃ困ったな煽り と思っていた。
しかし、手書き用タブレットで落書きをしてもほぼ同じ効果が得られたため、案ずるより産むが易し、ではあった。
 
最初は若干緊張したが、慣れれば集中力が高まる。
操作説明にはなかったが、通常のパソコン操作と同様に、たとえばTABキーを押せば次の項目へ飛ぶなど、高速化の操作がわかってくると、なんだか楽しくなってきたひらめき
手書きも、書き直すのは楽ちん楽ちん。
 
ただし、操作がわからなくなっても、助けを求めることはできない。
Windowsパソコンの操作に慣れていないと、やはりリスキーではないかと感じた。
 
さすがに今回は楽勝だろうというのが、試験後の感触。
そして結果がこちらです!
 
193点で合格ニコニコ
しかも、「今回の合格点」は155点。8割より低いじゃん。
CBT受験は問題を持ち帰れないので検証できないが、この回は難しかったのかね。
 
大きい封筒で、合格証書同封で届きました。
正直、CBTだから合格証書もPDFの添付ファイルとかでは?と勘ぐっていたのですが。
疑って、すみませんでした!
 
これでようやく、白星で一年を締めくくることが出来ましたグラサン
めでたしめでたし。
 
 
【CBTの受験者数は?】
 
せっかく慣れたのに、残念ながら、CBTで受験できる漢検は2級が一番上である。
準1級以上は、年に3回の会場受験で、地道に合格を目指すしかない。
 
2級以下の漢検本が溢れているのに、ワタシは驚いた(今さら!)。
もしかして、受験者数が大きく違うのだろうか。
 
正解。準1級と2級では、ざっくり1桁違う。
2020年度は新型コロナの影響があったので、2019年度のデータを見てみた。

 

 

事業報告書の p.8 には、年間の合計が記載されている。

https://www.kanken.or.jp/outline/data/outline_info_business_report_2019.pdf

 

志願者数で比較すると、2級は16万人弱、準1級は1万8千人弱である。

そりゃあ、対策本の出版にも影響するわなあ。

準1級は、おそらく、そんなに売れないのである。

 

ひょっとして、いつでも受験できるCBT受験も、2級以下の受験者を増やすことに貢献しているのか?

 

と思って、同じく事業報告書の p.7 を見ると、年間のCBT受験者数は約3万6千人。

p.8 によると、すべての志願者数は190万人。

超マイノリティじゃん、CBT受験 滝汗滝汗滝汗

 

「履歴書に書きたいから、急いで合格したい」なんていうニーズには向いているんだろう。

 

また、下の方の級から積み上げていきたいが、ちびっこがメインの級を会場で受けるのが恥ずかしい、という方々にも、CBTはよいのではないだろうか?

実際、漢字検定の会場で見かける「わ、仲間かな?」と思いたい「ワタシより、ちょい下」くらいの年代の女性は、ほとんどが「付き添いで来ている保護者」である。

 

本当の仲間は、「ずーっと若いひと」か「ずーっと年上のひと」なのよ。40代、50代は忙しいからねえ。

 

CBTはなかなか楽しかったので、漢検への興味が収束したら、別の資格を受けてみたいなー、などと思っている今日このごろ。

 

 

【邪な野望?】
 
ところで、漢検には成績優秀者の表彰制度がある。
 

 

ワタシは元来、「資格試験」というのは「ギリギリ合格を目指せば御の字」という考えをもっている。
だって、履歴書に「英検1級(ただし、ギリギリ合格)」とは書かないでしょう。
ギリギリだろうが、余裕綽々だろうが、合格は合格だ。
ならば、余計な努力をする必要はない、というのがワタシの理屈です。
 
とはいえ、表彰されると、やっぱり嬉しいんですよね。
数年前、フランス語を学んでいたとき、「今更、その級?」という実力で仏検4級を受けたところ、満点は逃したものの、成績優秀者として表彰されたんですわチョキ
 
そのとき味をしめたので、今度は「漢検」でも何か狙えるのでは?と意地汚いことを考えたのだ。
 
2回の「不合格通知」に、準1級と1級の年代別の受験者数・合格者数と、最高齢・最年少合格者の年齢が記載されていました。
 
ワタシが狙えそうなのは「最高齢合格者」ですけれど…
90歳近くまで頑張らないと、ダメみたいですねえ。はあチーン
 
 
漢字検定は、取得しても役に立つことはない、だから尊い!とワタシは考えていました。
 
しかしどうやら、漢検2級というのは、推薦入学や就職の役に立つらしいんですねえニヒヒ
 
これはいけない(?)。
「役に立つ」というのは、下品だ。(私見)
今後も精進を重ねて、準1級、さらに1級を取得して、「物好き」の域に達しなければ…。
 
漢字検定の勉強をして、「世界の見え方」が明らかに変わった。
日常に溢れる漢字に対する感性が、飛躍的に上がった。
 
言葉遣いも変わりました。
語彙が豊かになったと、自分でもはっきりわかります。
 
「漢字を学ぶ」って素晴らしいですね!と、今は、心の底から思っています。