やり方もわからないし
たいした方法ではないんだけど。
わざと水を浴びて風邪をひいたり
こけそうなときに受け身を取らず
なかなかにでっかい擦り傷をつくったり。
家でグラスを割ってしまえば
割れた破片を握って
少し血を出すくらい。
なぜそんなことをするのか
その時はわからなかった。
だって
自分が辛いなんて
微塵も思っていなかったから。
歳の近い真ん中の姉とは気が合い、
一緒にテレビを見て楽しんでいたし
友達もたくさんいて
明るく社交的な私は幸せなはずだった。
小学校ではいろんな委員をやっていて先生の評判もいい。
年下のお友達も多く
いつも学校帰りには
そと中走り回っていた。
そんな折、
2回目の転校をすることになった。
(一度目は離婚のとき)
その時も私は
小学校3校目なんて珍しいじゃん。
むしろ中学に上がったら
ほぼ全員が私のことを知ってるとか
サイコーじゃん‼️
とワクワクしていた。
そして
転校初日から
どういうキャラでいくか事前に決めて
その通りに振る舞った。
今思えば
キャラで言ってる時点で
自然体で生きていない。

でもこの時はわからなかった。
そのキャラのおかげで
なぜか私は
「東京から来た子」
というウワサが立っていたらしい。
また、転校早々に
生徒会にも立候補して
見事当選。
華々しいデビューだった。
しかし、この3校目で
運命の出会いを果たしてしまう。
それが当時担任をしてくださったO先生。
私の浅はかさにO先生は気づいていた。
私が周りの人をバカにして
欺いていることに気づいていた。
だから私がいけないことをしたときに
心から叱ってくれた。
そこで私が自分の過ちに気づけば美談なんだけど
わたしは
上手く生きていたつもりだったので
なぜ叱られたのかわからなかった。
むしろこの一件で
「大人嫌い
大人ダサい
大人ウザい
ゼッタイ弱みを見せてはいけない」
とココロを固く閉じてしまった。
唯一、私の本心に気付いてくれていたのに…。
いまならわかるが
子どもは狭い視野しか持ち合わせていない。
大人は私たちが思っているより
深いところで私たちを見てくれている。
でも私にはその視線は
脅威でしかなかった。
だって本音がバレてしまえば
母を騙した(と思い込んでいる)
不倫に加担したあの一件がバレてしまうから。
(今思えば本当に不倫だったのかすらわからないのだけれど。)
どうしても隠したかった、。
…
その頃になると
隠し通せなくなってきた私のアラが
見えるたびに
はやく自分の人生終わってくれないかな
思うようになっていった。