デビュー戦途中降板。

ベンチに戻れ。




そう聞いた次男は、

11ヶ月間通った事務所の

自分のデスクやロッカーを片付けながら

10日間の休暇の予定を

ぼんやり考えていたそうです笑

切り替え早い滝汗




「しまった、パスポート切れてら・・・

「田舎でゆっくりするか?」

「いや、新幹線でプリッと

兄貴んとこにでも行こうかな〜

もう一年会ってねーし」

「そうだ、中高時代の同級生んとこ

遊びに行くとか?大阪?名古屋?」

「せっかく10日間もあるんだし、

沖縄も久しぶりに行きたい!」






先にも書きましたが
この業界、
異動の時期は決まっておらず、
一つのプロジェクトが終われば
チームを解散して次、の繰り返し。

次男がひと仕事終えたこの時期はちょうど
今年の新採用ちゃん達が、
研修を終え、
本配属になる時期とも重なっていました。
次男が、

既に滞りなく回っているプロジェクトに

途中から投入をされなかったのは

それもあります。

おそらく、今年の新採用者が

デビュー戦として登板をするのでしょう。





あと、5日…

あと、4日…

あと、3日…





「とりあえず、予約したカーシェアで

最終日に帰りに本社寄って、挨拶ついでに

荷物が入った段ボール箱置こう」

「ちょうど同級生の結婚式で

田舎帰ることになってたけど、

延長してそのまま10日間

田舎でのんびりしようか」

「…いや、待て、

やっぱり沖縄も捨てがたいな。

石垣島に行ったのは高校の時だった。」

「あ、そうだ!

一回東京に戻ってこなくても、

披露宴終わったら

高知から高松行って

沖縄行の直行便乗ればいいじゃん!!」





・・・と、荷造りしながら、心は南国。

次男がそう考えていたのはちょうど

関東が遅い梅雨入りをし、

沖縄が梅雨明けをした頃でした。

まだ東京も30℃を超えることはなく、

南国土佐出身の次男にしては涼しい

6月の東京。

「高知も沖縄も、暑いだろうな〜♡」




この時点で、私に連絡があり

次は本社での内勤になったことや

3日間の帰省を延長して

10日間田舎にいるかもしれないこと、

でも沖縄に行きたいと思っていることは

聞いていました。


休日出勤や残業が多く、

お金を使う暇もなかった次男。

社会人2年目になったところにしては

貯蓄額は随分多く、

「直前予約で航空券が高くても

お金はあるからかまわない」

「もし行くことになったら高松空港まで

車で送ってくんない?」

「俺が沖縄行ったの高校の時だったよね、

久しぶりだな〜」

と。

電話で話した感じでは、

もう沖縄に行くことを

決めているようにも思いました。





そしたら荷造りも終わりかけたある日、

突然、本社から上の人が来て。




本社管轄エリアの

別の仕事場から本社にヘルプ要請が

あったそうです。

どうやら

納期に間に合わないかもしれない

締切を過ぎると数千万円の損害、という

ギリギリの線を行くプロジェクトがあり
「今は新人の面倒見る余裕がない、

ある程度使える子よこして」と

研修が終わったばかりの

今年の新採用の投入を、

拒否してきたとのこと。




本社から来た上の人には同行者がいて、

それは、

就活中から

リクルーターとしてお世話をしてくれた

兄貴分のような母校の先輩でした。

「よう!ユウ、久しぶり!

ごめん、急なんだけど

本社じゃなくて群馬行って!!」




ぐ、ぐ、ぐ、
群馬?!



え待って待って待って
通えないですけど?
群馬て、群馬県の群馬?
群馬て、確か
学校で配られた日本地図で
東京の2〜3cmくらい上にある群馬?
小5の時習ったキャベツ村のある群馬?



「うん、

2〜3cmじゃなくて、120〜130kmな真顔

大丈夫、嬬恋村までは行かない。
近くにマンション借りたる。」



え待って待って待って
寮は?新築駅近おしゃマン寮は?

僕の城は?気に入ってたのに〜




「出なくていいぞ。特別待遇だ。

※次男の会社では、

一人に二箇所の住まいを与えることは

内規で禁止されています

本社管轄区域では

秋から始まる事業計画がいくつもあって、

どれかに入ってもらうことは決まってる。

もうすぐ夏期休業で

本社の業務も一時ストップするから、

中にいるより

群馬を見ておく方がおまえのためになる。

何より先方が、

今新採用を投入されると困ると言っている。

ある程度一人で回せる人間が欲しいそうだ。

寮はそのままにして行ってかまわない。

◯日から、本社じゃなくて群馬な。
布団はレンタルサービス手配しとく。

最低限の生活用品だけ

持っていけばいい。

休みの間に荷物まとめて、群馬にGO!」



僕のためになる、ってなんすか?

ならないです、ならなくていいです、

え待って待って待って

僕のバケーションは?

僕のバカンスは?沖縄は?




「沖縄じゃなくて、群馬な。

大丈夫、夏の群馬は沖縄級に暑いから。」






私は、

湾岸エリアの仕事が終わるだいたいの時期を

去年の時点で聞いていたので、
「そろそろ次、決まった?」
「まだ?ねえ、まだわからないの?」
と6月入ってからずーっと尋ねていて
つい最近、
「俺、本社勤務らしいよ。」と聞き
ホッとしていたところ。
忙しい次男は

ほとんど連絡をしてきません笑




中高時代の同級生の

結婚披露宴に出席するため

帰省することは

ずっと前に決まっていましたが、

絶好のタイミングで

10日間の休暇と披露宴が重なり

「ちょうど良かった!」と
ルンルンで空港に迎えに行った
事態が急変したとは知らない私。



おかえり〜!!
こんな時期に帰省できるとは
思ってなかったから、ママ嬉しい!

もう10日間こっちいれば?♡

沖縄行きたいなら

高松空港まで車で送るのはかまわないけど

どうするか決めた?

・・・何、その顔。どうしたの?



着くなり、
「俺、休み半分なった・・・」

「10日間ゆっくりするつもりだったのに、

早く帰らないと・・・」




え、なんで?



あくまでも、
群馬異動がショックなのではなく

休暇が短くなったことが不満な次男笑い泣き




「休暇が・・・」
「早く寮帰って、
荷造りしなきゃいけない・・・」
「休みが・・・休みが・・・」



本当に、働きづめだった次男。
土日連続のお休みをもらえたのは
仮配属で本社にいた3ヶ月間だけで、
その後の11ヶ月間は
日曜日と、
他の人と交替で平日一日が休み。

夜23〜0時に帰寮するものだから

結局寝るだけで終わる休日。
連続した休暇じゃないと、
お友達と遊びに行ったりする余力もなく、
プロジェクト終了間近だったせいで
今年のゴールデンウィークは
二日連続のお休みを

やっと2回とれただけだった次男。




大型連休に賭ける意気込みは

並々ならぬものがあったようです笑



3日間は、秒速で終わり。
帰省中、一緒にうな重を食べたこと等は
省略します真顔
次男、サヨウナラ・・・
群馬で頑張ってね・・・


10日間の休暇。

帰省して同級生の結婚披露宴に出席し、

当初の予定どおり3日間だけ滞在した後

東京に戻って寮の片付けと荷造り。

2〜3日前には

群馬のマンションに入っておきたいらしく

結局、10日間の連続休暇は

東京→高知→東京→群馬で

終わることになりました。




しょうがない、

これが次男の選んだ業界です。

しかも、

完全に“中継ぎ”じゃあないですか笑

確かに、今本社に行っても

お盆には一斉夏季休業になりますし、

秋から担当する職場に異動する前に

また10日間の休暇をもらったとしたら、

実質働くのは1ヶ月ちょっと。


「10日間休んで沖縄行ってー、

外と違って本社は、一斉休業するから

1ヶ月働いたらお盆休みになってー、

それからまた10日くらい仕事したら、

また次の異動前の10日間の休暇になってー、

俺、社会人になったらもう

学生の時みたいな夏休みなんて

ないものだと思っていたけど、

今年の夏は休暇がいっぱい!!浮き輪波花火祭

と次男が電話で話していたのは、

ほんの数日前。

・・・人生、そう甘くはない笑





ということで
レッツゴー、群馬。
夏の間だけ、群馬。
福島県とか新潟県とか長野県よりの
涼しい群馬じゃなくて、もっと南の
灼熱の、群馬。
40℃の、群馬。



あ、私?
私は行きません、群馬には笑
息子の住む場所には行ってみたい私
今まではそうしてきましたけど、
今回は行きません笑
息子が一年間いるなら行ってもいいけど、

晩夏には東京戻ってくるんで真顔

暑いんでね。群馬は。



でも、勉強はしました。
・・・位置とか笑←小4か
北の方は、本当に涼しくて

景色も良くて、

温泉もあるし、良さそうなところですね。



長男と次男は
もう一年顔を合わせていませんが、
電話では時々話していることも
今回初めて知りました。


空港から自宅へと帰る車の中で、
「お兄ちゃんに
群馬行く、って言うたら爆笑された」
「父島母島じゃなくて良かったやんけ、
って爆笑された」
「おまえ40℃の気温の中働いてまた痩せて
ママより体重軽くなるんちゃうか?
って爆笑された」




…長男は

ただただ、爆笑していたそうです笑い泣き




でも。
東北にしろ、北関東にしろ、
以前の私には
縁もなく無関心な場所でした。
息子達のおかげで、
私の世界も広がっていきます。
この年になっても、
新しい場所を知っていくっていうのは
幸せです。←だったら群馬にも遊びに行け