遡ること、さらに一ヶ月前の
昨年の12月。



私は、来たる長男のお引っ越しに向けて
最低限必要になるであろう物を、
少しずつ
田舎の自宅に買い集めていました。
ふかふかのホテル仕様のタオル、
外国製の洗剤、
少しだけ高いハンドソープ、
・・・思いつく度に買い
ダンボール箱に入れていて、
春の引っ越しには
これを車に乗せて持っていこう!と。
楽しみに買い物を続け、
そのうち、大きなダンボール箱は
いっぱいになってしまいましたが、
次から次へと買ってやりたい物を
思いついてしまい、
ダンボール箱は二つ目に突入。



3月末…と聞いていたYくんの下宿退去が
急遽早まり、
「2月から入居する」と
長男が言い出したものだから、
契約を済ませ、田舎に戻ってからは
ああ!あれも買わなきゃハート
急がなきゃピンクハート
…と、
頭の中は毎日毎日お引っ越しのことでいっぱい
そのバタバタすら嬉しく楽しく
暇を見つけては
スーパーやドラッグストアに行ったり
お買い物リストを作ったり
ルンルンだったのですが、





はっきり言って、
「光回線が引けないなら、
俺はあそこに入居しない!」と
言われた日から、
完全にその気持ちはなくなってしまいました。




まあ、
長男がどんな結論を出すにしろ、
どこに住むにしろ、
リスタートすることは間違いないのだから
買い揃えた荷物は
春までには渡してやるか
・・・くらいのもんです。



私は、事前準備をきっちりしたい人なので
買い忘れがないよう、
あ!アレ要るんだった!と後で慌てないよう、
大学入学時にした一度目のお引っ越しでは
入念な「必要な物リスト」をExcelで作り、
チェックを入れていき、
そのリストを見た私の同級生から
驚愕されたのも、懐かしい思い出笑
「あんたったら、どこまで息子好きなのwww」
「ひいぃぃぃぃぃぃぃー!!なにそれ!」
と笑われたり、驚かれるような、
細かいチェックリストでした。



まだ契約破棄をする可能性があるとも
思っていなかった1月半ば、
「ん~今回は、買う物が少ないし
過剰に手を出すと長男に怒られちゃうしな…」
とネットを見ていたところ、
イイものを見つけていました。




ニトリのチェックリスト。
『引っ越し』『最低限必要な物』
というワードで検索したら
出てきたもので、
使えそうだったので印刷しました!




もちろん、
一回目のお引っ越し時に私が作成したような
調味料:醤油、砂糖、味噌…とか笑
洗面用具:髭剃り、洗顔料、整髪料、ドライヤー
…等という物までは書いていない、
シンプルなチェックリストですが
十分です!これでいいのです!
本来ならこうするべきでした!
あとの物は、
本人が困れば買えばいい
私は二回目のお引っ越しで気づきました。



本当に、そう。
困ればいいんです。
それから本人が考え、本人が行動すれば
いいんです。
以前の私は、
本人が“困ること”さえ、
させないようにしてきましたから、
そりゃ本人、考えもしないし、
そりゃ本人、行動もしないわな。
チーン。
完全にママまかせの
自立してない男子の出来上がりです。


ふん、次は、そうはしないぞ。



まず、レオパレスには
必要最低限の家具家電、カーテンまで
ついていますから
ニトリのチェックリストの、
『引っ越し後に揃えたいアイテム』以外の
既に半分以上は
もう備え付けてあるか、
用意してあります。





ここまで揃え、
チェックリストを持ち歩き、
暇さえあれば眺めてニヤニヤしていた1月後半


「光回線通せないなら、入居しない」
そう長男に言われた日から、
このお買い物リストにチェックは
増えなくなりました。



最後に買ったのは、
クナイプのバスソルトと
伊豆からお取り寄せしたハチミツ。



うちでは昔から入浴剤を時々使っていて、
バスクリンや温泉の素等
いろいろ置いてありましたが、
長男は中でもクナイプがお気に入りでした。
私が勧めたわけではないのに、
食品でも日用品でも
なぜかしらちゃんとイイ物を見抜き、
そこそこの値段の、良い品を、
選り抜くようになった長男に、
引っ越し後は同居人に遠慮なく
ゆっくりお風呂に入ることもできるだろう
…とクナイプを買ってあげたのです。



ハチミツも、
これからは
誰に気兼ねすることもなく
美味しいトーストを
食べられる朝が来るのだから…と
息子が瓶の口周りをベタベタにしたり、
ポタポタ落としてキッチンを汚さないよう、
一回分ずつに小分けされた
スティックタイプを。
正直、安い買い物ではありませんでしたが
たかだかトーストさえも
食べられなかった長男に、
これからは存分に食べてほしくて。





とても虚しい気持ちで、
クナイプのバスソルトアソートとハチミツを
投げ入れるように入れた後
1月末、
私はダンボール箱を閉じました。




続く。