9月、夏休み中の大学2年生の次男を連れて
長男のいる街に行った。
もう2ヶ月も経ったのか・・・





意外にも
呼び出しに応じた長男だったけど、
私は安心したわけじゃない。




なぜか、不安は日増しに大きくなり
このところ
実際にはおきてもいない
恐ろしいことばかりを想像しては、
胸をかきむしられる思いをしていた。



こういうのを、
虫の予感…っていうんじゃない?
なんなのよ、この
やけにざわざわする胸騒ぎは・・・


と、
自分を煽るようにさらに想像を掻き立て
自分をどんどん追い込んでいっていたような
ここ1~2か月だった。



単なる母親の不安
心配性の妄想
とは、私をよく知る人は言わない。



それは。
例えば。


私は予知夢を見る人で
それは背中がゾクゾクするような
神がかっているとも言える
ミョーな能力(?)があって


虫の予感…というのも
心配から来る単純なものではなく、



そして、
その気味の悪い私の“能力”のようなものを、
いちばん信用していたのが
「俺は非科学的なことは信じない」
と言い切る、長男だった。





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長男が中学に入った頃。
私が、
とても怖い夢で
ガバッと飛び起きた朝があった。


目が覚めた時にやっとわかる、
いつもの感じだ・・・
普段の夢とはリアルさが違うというか、
色味が違うというか、
起きてから
「あ・・・これは・・・」と気がつく
夢があって


それはもちろん、
滅多に見ない。


本当に、なかなか、見ない。
見たのは、半世紀近い人生で
10回ちょっとだったと思う。


でも、その時が来たらわかるの。
「あ、これ、現実になる」って。


今まで見た予知夢の中で
いちばん恐ろしかったのが
10年前のこの夢だった。
その朝、私はパニックになり
中学生になったばかりの長男に
「今日は絶対自転車で行かないで!!」
と金切り声をあげて、言った。


「理由はまた今度言う、
今は言えない。
でも、自転車には乗らないで!
今日はダメ!絶対イヤ!イヤなのよ!!」
私は涙声で、長男に懇願した。



小学生だった次男は不思議そうな顔をして
「なんで?」と言ったけれど、
中学に入ってから
毎日楽しそうに自転車通学をしていた長男は


私に何も聞かず、
理由も述べずに
自転車に乗るのはダメったらダメ!
と言う私に
一言の文句も言わず


「わかった。
ママがそう言うなら、そうする。
俺は、ママのそういう不思議なところ
信用してるんだ。」
とだけ言った。



私が夢の中で見たのは新聞記事だった。
人がまったく出演しない
珍しい夢。
見えるのは、活字が並ぶ紙面。
夢なのに、
やけにリアルに
一文字一文字がはっきり読めた。


そこには、自転車に乗った中学生が
車にはねられたということが書かれていて


名前の一部が読めた。



読み取れた名前は、下の名前だけ。
それもひらがなだった。
漢字だらけの文章の中にあったひらがなに
違和感はあった。
名前を載せるなら、漢字で載せるでしょ?



息子の名前ではなかったけど、
予知夢であることは
私の勘や経験から
間違いない、と思った。
息子の名前ではないのに、
なぜ
私がこんな夢を見たのか、
あるいは見せられたのか、
と思えば
それには理由があるはずだとも思った。




長男には、夢の内容を
朝はどうしても話せなかった。
予知夢じゃないかもしれない。
そうでないなら、いいけど。
私の勘違いかな。思い過ごしかな。



夜、無事に帰ってきた長男に
「実はね・・・絶対に人に言わないでね、」
と話した。
読めたひらがなの名前も伝えた。
その時、長男は
「ふーん・・・
でも、俺じゃないし、
ひらがなでその名前の友達なんか、
いないけどな・・・」と言った。




翌朝の新聞には、
夢の中に出てきた新聞記事が
そのまま載ってた。


長男と同じ中学、同じクラス
小学校から一緒だった男の子の、
学校名や名前があった。
自転車で一緒に下校することもある、
仲の良いお友達の名前が。



難しい漢字の名前は、
(◯◯◯)とひらがなで
わざわざ書かれていた。
私が夢の中で見た、
ひらがなの文字はこれだった。



私は、パニックになって泣いた。
自分が怖かったし、
前日息子が自転車に乗るのを止めた自分が、
息子だけ助かればいいと思ってる母親に思え
自分を責めた。
一緒に下校し、隣を走るのが長男だったら
はねられたのはうちの子だったかもしれない。
なぜ、あのお友達に知らせなかったんだろう。
助かったかもしれないのに。
でも、
「キミ、今日事故に遭うよ」なんて、
そんなこと言えるはずもない。




長男は、無表情で
「そういうことか・・・」と言った。
早生まれの中学1年生の息子は
まだ12歳だったのに
取り乱しも怖がりもせずに、
静かに静かに、言った。




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普段から
「ママの念は、フツーじゃない。」
「ママの勘は、フツーじゃない。」
とも長男は言ってた。


科学的根拠のないものを、
むしろバカにまでするような長男なのに


私のことは、
「能力者とは言いたくないから、
あえて言うなら、ママは魔女だ笑」
と言ってた。



私は、自分の直感を
何よりも信用してる。
はっきり言って、
自分のことを気味が悪いとも思ってる。




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だから、不安になると
私は何とかしようと精一杯のことをする。



不安だわ~
やだ、心配~
…では絶対に済まさない。



何とかできるとも思ってる。
そう思わなきゃ、
暢気に生きてられないからね(-。-)y-゜゜゜
ふっ。





私は、
1月に長男を策略にはめて
いや、わざとはまってくれた?
再会をしてから半年間
連絡をしなかったし、
会おうとも思わなかった。


新年度になったばかりの春に1~2度
次男を介してメールをしてもらったけど、
それだけ。


9月だって、
会ったのは次男であって
私は会ってない。


元気なら、それでいい。
何もなければ、かまわない。


だから、私は
一年半で1回しか
長男の顔を見ていないし、

これだけ息子のことを思い
ブログにこうして書いているけれど、
実際メールをしたり電話をすることは
まず、ない。




だけど、
ここ1~2か月急に
やけに怖い想像ばかりするようになって



実はこの半月ほどの間に
立て続けに数回
返事が来ないとわかっていても、
メッセージを送ってた。




二週間で6回のメッセージ。
「困ったことはない?」
「元気でいるならユウには連絡して」
「ちゃんと食べてるの?」
「お金はあるの?」
…などという
短いメッセージは、
私が不安にかられて
我慢できずに送ったものであって、



昨夏姿を消した直後や
「きちんとすべきことをしなさい」と
口うるさく言った去年の秋~冬は
頻繁に連絡を入れたものの、



それ以外の時は
しつこくメールをすることは
本当になかった。



たった半月の間に
返事がないとわかっていながら
メッセージを送る、という
駆り立てられるものが自分の中にある事実が

自分でしておきながら
「なんなんだろう、これは」
「なんか不安」
「なんかイヤな予感」
と、怖かった。




なんか、不安。
なにか、おきる。
胸がざわつく。
このまま、静かに、時が過ぎない気がする。
何かはわからないけど。
静かな日々がかき乱される、というか
変化がおきる、というか
それがいつなのかまではわからないけど
年内?来年じゃないっぽい。
なんで時期をそれくらいだと
私は思うんだろう。
足音が近づいている、という感じ。
その足音の大きさかな。
夢は見ていない。
だから、どんなことがあるのかはわからない。
でも、
足音が近づいてきてる。
声みたいなものが聞こえる。
とにかく、不思議なのだ。
私って人は。



ただ、予感や予知夢は
事故や、人の生死に関わることに
限られているわけではない。
「あ。ものすごく近い未来に
元カレの◯◯くんに
会うはずのない場所で遭遇する!」
といった笑、
しょーーーもないことも、ある。







11月某日、仕事をしていたら
社の代表電話を受ける部署から
私の席に内線が入り、


「すぐに今から言うところに
電話をしてください。
こちらにかかってきて、
至急連絡を、との伝言を預かっています。」
と言われた。



その電話番号は、
長男がいる街の市外局番から始まり、
0110で終わる番号だった。





続く→