長い長い土中暮らしから出てきた蝉の、
幼虫が羽化するところを
間近で見たこと、ありますか?



私はね、たぶん
500回くらい見てます。



見させられてる、っていうか・・・滝汗






長男が幼児の頃、
蝉の脱け殻ばっか集めてて、
そのうち
脱け殻だと思って捕ったら
幼虫だった!…ってことがあってからは


夏になると、
夕方はいつも蝉の幼虫を探してお散歩。
18~20時くらいの、
まだ真っ暗になっていない時刻に


蝉の脱け殻がたくさんついている場所を狙って
見に行けば、
地面の方から
うんしょ、うんしょ、…と
ゆっくりゆっくり上がってくる幼虫を
見つけられます。←そんな情報いらん?


捕まえて、
おうちの中のカーテンにつけておくと
カーテンレール近くまで上がりきった後
静かに羽化できる場所を見つけるまで長い
蝉、めちゃ慎重笑



何時間もかけて
背中が割れていきます。




羽化が始まれば早いのだけど、
そこまでがすごく長くて
22時くらいになって。


でも、そこからが
すごくおもしろいの!



もう、写真がほとんど残ってないのだけど



まず、上半身を出します。


イナバウアー!!




で、おらよっと!!…と
腹筋するみたいに上体を戻して
自分が今出たばかりの脱け殻につかまり、


背中を丸めて
蝉の体ってそんな曲がるんだ!ってほど


今度はお尻を脱け殻から引き抜きます。





羽根はこの時点では
クチャクチャに丸まっていて

それからまた
数時間かけて
少~しずつ伸ばしていき

乾くまで、ジッとしています。



この時の羽根は
透明で、すごくきれい。
羽根は、わざと広げて
乾いてから体にピタッとつけます。



だいたい、このあたりで
幼児だった長男は
撃沈して寝てしまいましたが、


小学生になっても
中学生になっても


わざわざ探し回ることはしなくなったけど、
学校の帰りに
「ちょうど出てきたところに
遭遇したから」と言って


毎年夏の間に
何回かはお部屋の中で
羽化をさせていました。




高校生の頃は、
蝉に関する
ある論文を発表し、
全国大会にも行って


中央紙にもとりあげられ、
表彰者達の、ど真ん中
中央で
めんどくさそうな顔をして写っている
その切り抜きは、
電子化して
今も私のスマホの中におさめてあります。





だから、
梅雨明け間近のこの時期に
蝉が鳴き始めると


私は、


長男が毎日毎日汗だくで
論文を書くために
個体を集めていたあの頃


「暑い~~~!」と
玄関から飛び込んできて
冷蔵庫の麦茶を一気飲みをしていたあの頃


「お兄ちゃん、また行ってたの?」と
可愛い顔をした次男が
部屋から出てきたあの頃



三人で毎日毎日
幸せの極致にあるような暮らしを
していたあの頃を思い出して



泣きそうになります。






甥っ子が最近
同じことをしたがるので、
付き合ってあげているオバは
笑いながら甥っ子と蝉を見ていますが



本当は、泣きそう。





そろそろ梅雨明けですね。
去年は、
長男がいなくなっているともまだ知らない
新幹線の中で
梅雨明けのニュースを聞きましたが



今年も、
もうすぐかな。