75歳のスマホデビューからまだ一週間。


ストリートビューを使いながら
部下に指示を出すことも覚えた75歳。


私の父は、
勉強家で
なかなか頭のイイ人であるのは
娘の贔屓目を差し引いても
わかってはいたけれど、


これほど早く操作を覚えるとは
正直思ってなかったポーン




お父さんが
20年早く
パソコンを手にしていたら・・・
10年早く
スマホを使っていたら・・・



いろいろなことが違ったのかもしれないな
…と思うくらい



父自身も、
「コレをもっと早く手にしていたかった」と
言うほどに
スマホはすっかり父の日常に
欠かせないものになりつつあります。



が。



なんせ、75歳。
1回教えたくらいでは、
やはり覚えられません。


「そんな時はタスクリストから、」

「は?」

「それはスワイプじゃなくて、」


「は?」


日本語に言い換えることもしない笑、
不親切な次男の説明に



志村けんのコントみたいに


「あ゛?」

「あんだって?」

と、同じことを
日を変えて2~3回繰り返すのですが・・・



今、私の実家には
この春小学校に入学したばかりの孫3号が
いつもいて


国家公務員をしている妹(母親)は
テレワークができるような業務でもなく、
新年度が始まったばかりの今は
ものすごく忙しく


毎日実家に預けられている
この孫3号が、


次男がじいじにレクチャーするのを
横で聞いているせいか
すっごい早さでスマホの操作方法を
覚えていくわけですよ。



6歳になったばかりの男児、
今、アニメのキャラクターを見て
描き写し、色を塗る…ということを
毎日夢中でやっているんですけども


テレビだと一瞬で消えたり動いたりするので、
じいじのスマホを奪いとって
画像検索をするんです。



といっても、
文字を打ち込むことはまだできないのですが


必殺技・声認識
ササッとマイクを押し
「きめちゅのやいば、ねじゅこ!!」


ピロン!
鬼滅の刃、禰豆子画像が
ズラーッと出ます。




じいじが何度挑戦しても認識しないのに
夜な夜なボソボソと寝室から声がするので
気味が悪いと母が言っています笑




6歳が
「きめちゅのやいばッ、たんじろうッッ!!」
と開けゴマッッ!!くらいの感じで
張り切って唱えると



ピロン!




お年寄りは、ちょっと動かないと
すぐ寝ちゃうので笑、
ソファでスマホいじりをして
お気に入りの音楽を聴いているうちに
うつらうつら…と寝てしまうじいじの手から


こっそりスマホを抜き取り



じいじにバレないように
小さい声で
「きめちゅのやいば・・・ねじゅこ・・・」
と呟いても



ピロン!




6歳の声はやけに従順に聞き取り
素早く画像を出すスマホ。



お気に入りの音楽や
懐かしい映像のYouTubeを
見ていると、


次々に出てくるものに
「あ、これも見たい!」
「おっ、これも好きなやつだ!」
とびっくりする父に


「そうよ、お父さん
スマホはとっても賢いの。
お父さんの好みをちゃーんと
準備してくれるのよ。
お気に入りを覚えてくれているしね!」と
私が教えたもんだから



スマホは賢い

スマホは人みたい


・・・と思っている75歳
そこんとこは75歳、かなりすっとぼけている



「こいつ(スマホ)は、
人の顔も覚えると噂に聞いたぞ?」←顔認識


「こいつ(スマホ)は、
持ち主をワシじゃなくてこの子だと
思ってるんじゃないのか?
こいつ(スマホ)には、この子がいつも
見えているからな。」




お父さん・・・


それ、機械だから。


人じゃないから。


こっち見てないから。





履歴に
“きめちゅのやいばねじゅこ”が
残っていることを



「困ったなぁ、もう」

「こいつ(スマホ)、
ネジュコのことを忘れてくれんのだ」


お父さんは禰豆子を知らないから
ネジュコという、どっかの外人設定だと思ってる
フランシスコとか、プルシェンコ的なネジュコ



お父さん・・・


こいつ、じゃないから。


スマホだから。





ゴルフ場には行けなくなったけど、
おうち時間を楽しんでいる
75歳なのでした。