葬儀の日


朝7時頃、天気も良かったので会館近辺を散歩しました。

今まで親族や知人の葬儀の日は必ず雨がほとんどで去年の父のときも雨でしたが今回の母に限っては晴天!

私が思うに、今までの方々は「嫌だ〜死にたくないよ〜!」と叫んでいるかのように涙のごとく雨を降らせているようでした。

けれど母の場合は、やっと病や苦痛から解放された喜びにも思えました。

会館に戻り、スーツに着替えて部屋で待機してると

甥っ子から葬儀開始の時間確認の電話があり、会館のドアもオートロックで暗証番号を伝えるより朝の空気も吸いたかったので外に出て軽く体操しつつ待ってました。

彼の車は黄色いワーゲンポロでよく目立ちます。妹夫婦もワーゲンビートルと家族ワーゲン派!

道路を挟んで向かえ側の駐車場に白いマツダの車が止まり、そこの駐車場は会館スタッフがよく止めるので今日のスタッフがまた1人来たのだと思い、(それにしても甥っ子は遅いな〜)車から出てきたロン毛で後頭部に束ねたスタッフがスーツの上着に袖を通しながら歩いてくる。

「進撃の巨人」の後半のエレンみたいな青年が道路を横断してきたので私は「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」とお辞儀をしながら挨拶すると...

「あっ、おっちゃん、俺俺」

私は「えっ?えええーっ!」

去年の親父の葬儀以来、1年と半年ぶり!

どうやらポロからマツダに買い替えたようです。

甥っ子は午後から仕事なので葬儀のみの出席になりました。

そして葬儀が終わり出棺と私は火葬場へ霊柩車の後に続き、甥っ子からのお見送りで会館を後にしました。


到着して係の方が電動カートで母の棺が移動し、私もその後について歩く。

なぜか頭の中でこの曲が流れてました。




母を見送り、待合室に案内されて広い部屋に私1人

やっとここまで来たかと腰掛けて庭を見る。

約10年近く休むこと無く両親の介護と家事に追われて病気もせずによくここまでやって来れたなと過去を振り返りつつ庭を見てました。

そしてこの曲を思い出す。



もう介護はしなくていいんだ!私は自由なんだという開放感と大切なものがまた一つ去っていく寂しさの複雑な気分になりました。


そして一気に疲れが来ましたので


レッドブルを自販機で買いました。


そして間もなく収骨の館内放送が流れて火葬室に向かいました。

係の方が「これより収骨のご説明を始めますのでこちらに来てください」と案内されると


火葬の済んだ母の亡き骸を見た瞬間!?

全ての骨が砕けてバラバラ状態!

かろうじて顔の中心部分が少し残ってる程度!

去年の父の場合はちゃんと人の形が分かりましたが今回は見事に原型が分かりませんでした。

おそらく母は骨粗鬆症でこのようになってしまったと実感しました。

転院先の担当医から

「骨粗鬆症により腰の骨が折れてました」と告げられて驚きました。

箸で骨を掴むとバラっと2つに割れてしまうほどカスカスでまるで軽石でした。

原型が残ってたのは人工股関節ぐらいです。


何とか無事、全ての事が終了し火葬場の女性スタッフにお疲れ様でしたの言葉と共に見送られ、実家に向かいました。


家に到着し、祭壇にお骨と写真を飾って合掌。


「おかえり、お母さん」


そして私は縁側の椅子に腰掛けて母のお骨と写真を見ながら冷たい飲み物を飲んでました。



「母さん、また明日来るよ」

そして家の戸締りをして新居へ帰りました。