リストカットを初めてした時に、私は何故こんなことをしてしまったか分からずにいました。


だけど、流れ出る血を見て、どこか気持ちが落ち着いたのを覚えています。




あれは、20歳の時でした。



それから私は、毎晩のようにたくさんの傷を作っていました。





一度、入院してすこし落ち着いて帰ってきたんですが、

やっぱり気持ちが不安定になったらまた傷つけてしまっていたんです。





どうしてこんなことになってしまうのか


傷だらけの腕を見て、いろんな想いがいつも自分の中にはありました。






そんな癖になっていたリストカットも、


パタっとしなくなったんです。







なんで、やめたのかって。


それが、とても無意味だと感じたんだと思います。





はじめは、手首を切ることで、もしかしたら楽になれるかも?と思っていました。


だけど、手首を切ったくらいで死ぬわけじゃなくて、


というか、死ぬほど切る勇気もなくて


ただ、傷が増えるだけ。


一度落ち着いた気持ちも、すぐに次の日には不安定になる。




私はいつからか、自分は本当は生きていきたいんだと気付いていたから


自分に傷をつけることがどこか無意味に感じてきたのかも知れません。




本当は、きらいじゃない自分。


女性である自分。


そんな自分が傷だらけだったら、この先可哀想じゃん?って


単純に、そう思いました。







癖になって、やめれなくなって、苦しんでいた時には


出口なんてないと思っていました。





だけど、ふと気付いたら、


出口がそこにあったんです。





その出口を出るかどうか、そのタイミングは自分次第なのかも知れないけど


私にとって、今も残っている幾つかの手首の傷に対して


「苦しくて仕方なかった時期」と思えるようになりました。







子供にはまだ話してないです。


話す必要があるのかどうかも分からないです。




もう少し彼らが大きくなって


生きることや、死ぬことをしっかりと理解した時に


もしかしたら話すかも知れないし、話さないかも知れないし


それはまだ今は分かりませんが




あれがあって今の私がいる。



人は、いろんなことの積み重ねでできていることだけは自信を持って話せたらいいなと思っています。