宇宙戦艦ヤマトに出てくる様々な登場人物。もちろん傑物もたくさんいます。その中でひときわ異彩を放っているのが真田志郎です。

地球にはない先進的で強力な新兵器に対しても初見でその特性、能力等を看破し、素早く対処します。正に真田志郎こそが如何なる兵器や大艦隊よりも強力な最終兵器なのではないかというのが定説になりつつあります。
そんな真田志郎にスポットを当ててみようかと思います。

真田志郎は元々画家志望でした。しかし、月面にある遊園地でロケットコースターを子供ながらに運転し、重大事故を起こしてしまいます。
この事故で姉は死亡、自身も両手両足を失います。このことは真田志郎の心にトラウマとして深く刻み込まれることになります。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-真田ロケットコースター真田は危険を訴える姉の言葉に全く耳を貸さず暴走を続けます。その表情には狂気すら感じさせます。いや、実際に狂気なのでしょう。天才を天才足らしめるもの、それが狂気だからです。真田は間違いなく天才科学者であり、その源泉はその狂気から来ているのかも知れません。

しかし、如何に暴走させたからとはいえ、現代よりも遥かに安全対策が進んでいたであろう未来の遊園地であれだけの事故を起こすとは一体どんな無茶なことをしたのか逆に興味が湧きます。

「機械が人を殺す。そんなことがあっていいはずはなく、科学は人を幸せにするものであり、屈服させるものである」という考えから科学者の道を志したことを真田自ら古代進にガミラス要塞13号内で語っています。

その要塞に向かう為にシームレス戦闘機をヤマト艦内工場で製作したのも真田であり、要塞の内部構造を読み切って心臓部を破壊したのも真田でした。未知なる要塞攻略においても真田が如何に重要な存在であるかが分かります。

故に「真田無くして成功なし」という格言を提言したい位であり、宇宙戦艦ヤマト乗組員での最重要人物であります。デスラー総統はそのことに気付いていないようですが。

大ガミラス帝国のデスラー総統がヤマトに敗れたのも真田志郎によるものでした。もちろん、ガミラス本星が壊滅したのは沖田十三の捨て身の作戦(硫酸の海に潜って火山脈に波動砲を撃ち込む)によるものでしたが、デスラー総統は初代デスラー艦にて脱出に成功していました。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-真田版空間磁力メッキデスラー艦から放たれたデスラー砲はこの時ヤマトにとって初めて見る兵器でした。にもかかわらず真田はスイッチ一つでデスラー砲を弾き返して見せました。暗黒星団帝国が自動惑星ゴルバでデスラー砲を無効にする1年も前にこの技術力・・・言葉がありません。

この技術は「冥王星で見た反射衛星砲をヒントにした」と真田は語っていますが、反射衛星砲は地球にはないガミラスの兵器です。正に見ただけでその仕組みを理解したということです。素晴らしい・・・真田が画家になっていたら人類はこの時点で滅亡していたわけです。あの事故は正に天命であったといえましょう。

幸いデスラー総統はズォーダー大帝に救出され九死に一生を得たわけですが、危うく死ぬところでした。

この真田志郎の初見で兵器の正体を見抜く能力は随所に見られます。
$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ハイペロン爆弾の仕組みまで看破暗黒星団帝国がわざわざ地球攻略の為に開発したハイペロン爆弾を初め、デザリアムの超金属など、初見で正体を看破した恩恵として、その後執るべき戦術を誤ることがなくなりました。真田の眼力が常に正しい選択へと導いたわけです。

↑地球に降り立った巨大建造物がハイペロン爆弾であると見抜いただけでなく、起爆装置が敵母星にあることまで看破する真田志郎。

いかなる戦略・戦術を執るかは勝敗に直結するものですから、最善の選択をすることで戦闘において優位に立つことが出来るわけです。ヤマトの活躍の源泉は真田にあることがよくお解り頂けた事と思います。

ヤマトがガルマンガミラス帝国東部方面軍司令部を兼ねる要塞に捕獲されたとき、チンピラ土門が「真田副長、波動砲でこのドームをぶち抜きましょう」と訴えますが、真田は反射板が埋め込まれていることを指摘し、その正体は空間磁力メッキであり、輝きから判断して波動砲もヤマトの体当たりも跳ね返すものであると見抜きました。

この指摘がなければヤマトは蒸発していたことでしょう。真田がいる限りヤマトが誤った選択をすることは無いのです。土門のチンピラぶりは「ディンギル帝国の技術的実態」を参照。

極めつけは先述のシームレス戦闘機の様に真田の知識と技術により、ヤマト艦内で新兵器の開発設計、果ては製造までを行えることです。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-対ハイパー放射ミサイル砲ディンギル戦役ではディンギル帝国の決戦兵器ハイパー放射ミサイルの無効化を開戦後短期間で成し遂げます。こんなことをされては国を挙げて取り組んできた技術開発を根底から覆されてしまいます。
←真田が開発した対ハイパー放射ミサイル砲

相手にしてみれば、真田がいることは即ち新兵器で優位に立つことが不可能になることを意味します。これが真田が新兵器や大艦隊に勝る所以です。

またデスラー砲を弾き返した空間磁力メッキの様に、過去の経験から将来起こりうる危機を予測し、予め新装備を開発搭載しておくということも度々見受けられます。

白色彗星帝国戦役において、ゴーランド艦隊を前にエネルギーを奪い取る宇宙気流にはまり込んだヤマトは危機的状況に陥ります。エネルギー切れを起こした戦艦は只の鉄屑に過ぎません。敗北必死になったヤマトを救ったのも真田の新装備でした。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-アステロイドベルト先のイスカンダルへの旅の経験からアステロイドベルトにエネルギー吸収装置を真田は仕込んでおいたのでした。おかげでエネルギー切れどころか波動砲まで撃てたわけです。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-こんな事もあろうかとこの新装備の説明時に真田の口から飛び出したのが、ヤマトファンの間では最早伝説となっている名高い名言
「こんなこともあろうかと・・・」です。

←正にこの瞬間、真田が全知全能であると認知された。

この宇宙戦艦ヤマトを代表する名言をちゃんと記すと「ハッハッハ!前の旅の経験が活きたんだ。多分こんなこともあろうと思ってアステロイドリングにエネルギーの吸収装置をセットしておいたんだ。・・・以下省略」となります。

「あれが無かったらヤマトは・・・」と冷や汗をかいた古代は素直に真田に礼を言いますが、それに対して真田は「礼ならイスカンダルの旅に言ってくれ」と誠に科学者らしい返事をするのでした。

この戦闘の様子をモニタリングしていたデスラー総統は「流石ヤマト」と感心しています。しかし、これはデスラー総統に地獄を見せたデスラー砲を弾き返した時と同じく、「流石真田」と言うべきであることまでは、流石のデスラー総統も知る由もなかったのでした。

この様な人材は白色彗星帝国や暗黒星団帝国の様な巨大星間国家にもいませんでした。もちろん人材豊富なガルマンガミラス帝国も例外ではありません。真田の他に真田なく、真田以外に真田なし。そう、真田のみが究極なのである。


---ミニコラム---
 
新兵器などの重大事項を看破する真田志郎の眼力ですが、もっと身近なところにも抜かり無くその視線は注がれています。

ディンギル戦役において島大介が負傷していることに気付いたのは生活班長の森雪ではなく真田志郎でした。

いくらなんでも森雪は古代以外に興味無さ過ぎである。これではヤマト乗組員の健康衛生に不安を感じざるを得ません。

しかし、そんな待遇に寂しさを感じたのか、島大介は今際の際に「俺は君が好きだった。最初に君を見付けたのは古代じゃなく俺だろうな」と衝撃告白をしてしまうのでありました。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-テレサ輸血これにより、あの世で島はテレサと再会することは恐らく無くなったと思われます。もちろんテレサは島を待っていたでしょうが、島は完全にテレサのことを忘れているみたいなのである。テレサの血が流れているにも拘わらず・・・あぁ、何て薄情な。

いやはや、この一時の恋愛感情の儚いこと。古代と雪も幸せな家庭を築けなかったのも寂しい限りである。(復活編で見る限り)


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