「宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち」にて登場したヤマト新乗組員、北野哲と坂本茂。この両名は、イスカンダル宙域における暗黒星団帝国マゼラン方面軍との戦闘以後、姿を見せることはありませんでした。この両者がその後どうなったのかを考えてみようかと思います。

先ずは北野哲から考えてみましょう。北野哲は宇宙戦士訓練学校を主席で卒業した秀才であり、新乗組員で唯一第一艦橋配属となりました。

宇宙戦士訓練学校は兵隊だけでなく、土方の様な艦隊司令という上級職の育成も行っている様です。その上、真田の様な技術者の育成もしているので誠に幅が広いと言えるでしょう。

北野哲は明らかに上級職を目指せる出世を約束された所謂エリートです。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-北野ヤマト発進しかし、いきなり航海班としてヤマト発進の舵取りを任せられ固まってしまいます。

←如何にエリートとはいえ、緊張の余り顔が強張る北野哲。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-パンツ1丁立て続けに今度は戦闘班として実戦訓練に臨みますが、撤退中のコスモタイガー隊に主砲を発射するという大チョンボをやらかしてしまい、古代進の命令でパンツ一丁で船内一周という屈辱を受けます。


しかし、これは北野の力量云々というより明らかに古代進が無茶をさせ過ぎです。いきなりの重力下でのヤマト発進、空砲ではなく実弾での主砲発射という具合に航海班・戦闘班と班をまたいでの任務をぶっつけ本番でやらされたのですから。

しかし、そこはエリート。一度の実践でコツを掴んだ北野は、すぐさま突発的に巻き込まれた暗黒星団帝国との実戦で主砲管制を完璧にこなして見せました。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-北野泰然自若迫り来る暗黒星団帝国第一艦隊に焦る南部を他所に、北野は落ち着き払っていました。

←「これ以上はこちらもヤラれるぞ」と声を上げる南部と違い、泰然自若の北野

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-第1艦隊にショックカノン敵を引き付けるだけ引き付けて一気に第一艦隊を殲滅した様は、家康キラーで名を馳せた真田昌幸・幸村親子を彷彿とさせます。その上、波動砲の引き金を引くことも任されプレアデスを見事に葬りました。


これらの実績から、イスカンダル宙域での暗黒星団帝国との戦闘後はヤマトを降りて艦隊司令の道を歩んでいるものと思われます。しかし、この時に編成された第3世代地球防衛艦隊は無人艦隊であり、北野が乗艦出来る艦艇はありませんでした。

能力はあっても時代に恵まれず・・・といったところですか。


次に坂本茂について考えてみます。

白色彗星帝国戦によりヤマトは航空班長加藤三郎、副班長山本明というエースパイロットを失い、その役割を担うべく、宇宙戦士訓練学校でNo1パイロットであった坂本茂がヤマト航空隊に配属されました。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-坂本曲芸飛行ここで坂本はいきなり問題行動を取ってしまいます。ヤマトへ着艦する前に艦橋を横切りヤマトの正面に出てアクロバット飛行をしてみせたのでした。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-坂本修正この思い上がった行動に古代は激怒し張り倒します。

坂本は北野と違い、人間性に問題があることがすぐさま見て取れました。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-坂本背後隕石そして小惑星帯での訓練では嬉々として前方の小惑星を射撃して背後の注意を怠り古代のコスモゼロに救われます。ここでも坂本は「あの流星は回避出来ましたし衝突も未然に防ぎました」と反論する有様でした。


古代は「流星は銃撃してこなかったからな」と諭し、先述の北野と一緒にパンツ一丁で船内一周させます。しかし、北野と同じ罰を与えられたといってもその意味するところは全く違います。

北野のミスは経験不足から来るものであり、その後は先述の通り実戦デビューにおいて大役を見事に果たしました。一方、坂本はミスだけではなく、思い上がり・自惚れが強く周りを見ないという戦場では致命的ともいえる欠点が明らかとなり、故にチャンスを与えられることなく完全に干されてしまいました。

坂本が乗艦する前、島が古代に「坂本って奴は凄い腕らしいぞ」と言ったとき、古代は「加藤の二代目か・・・」と感慨深げに呟きました。坂本に対しての期待感の大きさが感じ取れます。

前航空班長加藤三郎は腕前もさることながら、コスモタイガー編隊をよく指揮し、部下の面倒見も良かったはずです。その加藤三郎との余りのギャップと相まって、古代の坂本への失望感は極めて大きなものであったことは想像に難くありません。

$batuの宇宙戦艦ヤマトを考える部屋-ヤマト航空隊暗黒星団帝国第一艦隊に攻撃を加えたヤマト艦載機隊の中に坂本の姿はありませんでした。北野と違い実戦デビューの機会を与えられなかったのです。

←航空班長不在の間は、古代進がコスモタイガー隊を率いた。

坂本はこの時、空しく艦内待機を命じられていたのでしょう。人望もなく嫌われてしまったことも容易に察しがつきます。

そして、この航海が終わった後、ヤマトサイドからの要望で坂本は転属となったのでした。「こんな奴いらん」ということです。

そしてその後、加藤四郎がヤマトに配属されたとき、皆に大歓迎されヤマト航空班長となるのでした。あぁ哀れなり坂本茂・・・まぁ自業自得か。


人気ブログランキングへ にほんブログ村 アニメブログ アニメ考察・研究へ