はっきりしてるのは、精神があるステージに立ってしまわないかぎり、言葉をいくら弄り回してもろくな歌にはならないということだ。
でも言葉を弄り回していないと、そのステージへの入口は見つからない。
言葉を弄り回していれば、いつかきっと入口が見つかる、というわけでもない。
入口へは自力ではたどり着けず、何かがそのステージに連れて行ってくれるのだが、何が連れて行ってくれるかは、その時になってみないと分からない。
言葉を弄り回しているときに、ふと目にしたり耳にしたものがその役目を買って出てくれることがある。
だが以前連れて行ってくれたものが、今度もそうしてくれるとかぎらない。
一度限りで役目を終えてしまうこともしばしばあるから。
とにかく、言葉そのものには階段となってステージまで届く力は備わっていないのである。