未定 | 喜劇 眼の前旅館

喜劇 眼の前旅館

短歌のブログ

スキップをしてたとわかる足跡が残されて駅に線路はそそぐ


二階から裸足のすねが垂れているブランコ乗りの頓死のように


とっくりの首からバネがゆれている 鳴らない電話に出て歌いだす


東京タワーを映す鏡にあらわれて口紅を引きなおすくちびる


町が町を呑みこむかたちした線をそうとは知らず歩き続けた



(初出:ポプラビーチ「日々短歌」2006年2月)