耕作放棄地の拡大が全国的な問題になる中、アイガモ農法で知られる桂川町寿命の農業古野隆雄さん(57)が18日、農業機械メーカー「クボタ」(大阪市)の支援を受け、同町吉隈の耕作放棄地約30アールを農地に復元した。大豆を無農薬栽培し、11月ごろ収穫する。


 古野さんは、同社が進める耕作放棄地再生の支援事業に応募。農機の無償提供対象に、県内で唯一選ばれた。この日は同社の販売会社「福岡クボタ」(福岡市)の社員6人が協力。高さ2メートルまで伸びた竹や雑草を草刈り機で刈り取った後、特殊なトラクターで地中深くまで耕し、雑草が生えにくくした。


 今回、農地にしたのは古野さんが親族から借りている休耕田。20年ほど前から雑草が生い茂っていた。一度、ソバの栽培を試みたが、除草に手間取り、耕作を断念していた。


 古野さんは「もったいないと思っていながら、十分な農機がなく、耕作を放棄していた。こうした支援はありがたい」と喜んでいた。23日に種をまくという。


=2008/07/19付 西日本新聞朝刊=