【ちば】農水省の公募事業で今年度から始まった有機農業総合支援対策事業(モデルタウン)が動きだした。実施地区の候補に指定されていたのは県内2地区の法人で、6月から相次いで事業地区決定通知が出された。

 9日に通知を受けた成田市前林の(株)生産者連合デコポンは19日に生産者ら150人を集め、1回目の勉強会として「有機農業の未来を考える」と題したパネル討論を開く。地域の有機資源の掘り起こしや消費者との交流会、新規就農者受け入れ、試験圃(ほ)設置などに取り組む。


 同社は県内70人の生産者が中心になり、有機農業野菜などを生協や自然食品店、レストランに販売し、宅配先を東南アジアまで広げるなどユニークな事業展開を行っている。この事業を契機に、地域から有機農業の発信に力を入れるという。


 自らも有機農業に取り組む井尻弘代表は「有機農業を広げるための技術を確立し、農業をやりたい人間を引きつけ、農業後継者育成の力になりたい」と決意を語る。


 1994年に仲間8人と立ち上げた会社は県内が中心だが、近隣県と北海道のジャガイモ農家、愛媛のデコポン農家などとも連携。基本的な野菜は年間供給体制が整う。


 2006年度の販売額は7億4000万円。売り上げの4割が有機JAS認証を受け、残りも農薬・化学肥料の不使用または各県基準の5割以上削減の農産物。当面、有機JAS認証の割合を5割に拡大することを目標にしている。


掲載日:08-07-16
日本農業新聞