「来年4月から“食べる観葉植物”として売り出す。会員制で、毎月トラックで交換して回る。誰でもどこでも簡単にできる野菜作りは都市生活者にピッタリ。食育としても有効だ」


 夏までに国立で100世帯の会員が取れれば、港区など都心のマンション地域へも売り込む、と鼻息は荒い。


 東京の人材にも期待する。


 「農業に関心がある感性豊かな若者に、金勘定を仕込んだ上で地方の農家で修業させ、“クリエーティブで数字に強い生産者”を育成中。彼らこそ将来、日本の農業を変えてゆく」


 総菜販売、ネット通販、百貨店への卸しなど事業多角化の準備も進む。10億円の資金は残り4億円を切り、いよいよ正念場。


 「東京から農業改革なんて無理だっていう見方を覆す。『農業ってカッコいい!』って言わせるまで、絶対にあきらめない」(小坂真里栄)


 ■人材育成も着々

 東京・大手町で11月、あるコンテストの表彰式が開かれた。クリエーター育成大手のバンタンが、「ファッションという切り口で農業を活性化する」(菊池健藏社長)ために2006年に立ち上げたNPO法人、日本アグリデザイン評議会が主催した「アグリデザインコンテスト」だ。


 2回目の今年は、ウエアに加えて農業関連商品やビジネスモデル部門を増やし、幅広い世代から大反響。斬新で実現可能性の高いアイデアが多く寄せられ、海外の農業関係者からも注目を集めた。

2007.12.28 06:20