QWRC連続講座
LGBTの医療・福祉II ―豊かなサバイバルを考えよう―


2011年7月19日 大阪   

AGPのブログ

副代表 井戸田 一朗


QWRC連続講座は、QWRCがファイザープログラムによる支援を受け、立案実施している企画です。本講座に講師として再びお声をかけて頂いたので、当日の模様をご報告します。


去る2009年9月に、連続講座Iが実施されました。連続講座Iは、主に医療従事者を対象とした講座であり、井戸田はしらかば診療所の紹介を兼ね、LGBTへ向けた医療について発表をしました。 今回は当事者に向けられた企画であり、LGBTが自分らしく医療・福祉を利用するための講座です。参加者は、40名近くいらっしゃったように思います。


井戸田は、「医療機関でのカミングアウトの意味」と題し、医療機関・福祉の現場で、医療側が患者・ユーザーのセクシュアリティを知っておいた方がいいと思われる三つの場合を軸に、具体例を挙げながら、自分なりの考えを述べさせて頂きました。 しらかば診療所の患者層や現状を紹介し、三つの場合の例として、厚労科研費「HIV検査相談体制の充実と活用に関する研究班」での、12のSTDクリニックでのインタビュー調査、入院時のキーパーソンについての事例と考察、そしてしらかば診療所における精神科の利用状況について、40分ほどお話しました。


発表後は、ディスカッションに15分間ほど充てられました。 予めお願いしておいた質問紙には、フロアーから様々なご質問やご経験が寄せられました。 特に、精神科受診時に「カムアウト損」になりたくない、どのように医者を見極めればいいのか、といった質問があり、私だけではお答えできず、フロアにいらっしゃった他の精神科医の方々にお答え頂きました。 すでに様々な方法で、病院でのキーパーソンについての問題に取り組まれ、クリアされている方もいらっしゃり、大変参考になりました。 私自身、キーパーソンについて真面目に考えたことは今回が初めてで、勉強になりました。なお、本発表の実現にあたり、平田代表に様々なアドバイスを頂きました。


お呼び頂いたQWRCさん、スタッフの方々、有意義なディスカッションをさせて頂いた参加者の皆さんに感謝します。