※ マヤの発言部分を紫色にして区別しました。
「・・・やぁ、よく来たね」
どこかで聴いたことのあるような懐かしい声が響いていた。目も眩むような青白い光を放っているので、その姿を捉えることはできなかったが、凛とした声の響きは、かつてどこかで聞いたことがあるような気がした。
「マヤ、秘密を守る者。そして時が来たら秘密を開示する者よ。汝がここにやって来ることはわかっていた。見たまえ、天空に浮かぶ星々と惑星の配置が、再びここに戻って来ることを告げている。惑星の光や天空に浮かぶ星々、銀河が織り成す光が、汝の耳にも届いていたはずだ」
その人物は、マヤの背後にいるはずの誰かを探しているような素振りを見せた。
「だがしかし、なぜ一人で、ここまでやって来たのか?相棒はどうした?」
「相棒とは誰のことですか?」
マヤは心の奥では知っていることを、気づかないふりをしているかのようだった。
「自分の魂の相棒を忘れてしまったとは、なんとも嘆かわしいことか」
「・・・あなたはわたしのことを知っているの?」
そうマヤが尋ねると、青味がかった銀色の光を放つ人は言った。
「いかにも。わたしは、わたし。わたしは未来の汝自身だ」
あぁ、ついにこの人物が登場したのか・・・・。
「わたしはわたし 十人十色」(2016/5/29)より
マヤはため息にも似た嘆きの声を出していた。この人は、マヤがまだ幼い時に、宇宙図書館へのアクセス方法を最初に教えてくれた人物で、聞くところによると、責任のある仕事をしている人らしいが、マヤにとっては、図書館ガイドのおじいさんであり、ガイドの「ジー」と呼んでいた人なのだ。
「幼い獅子よ、わたしとの再会がそんなに嬉しいのかね?」
「正直いって、あまり嬉しくはないけれど・・・なぜ、あなたはいつも、わたしのことを幼い獅子と呼ぶの?」
「それは単純なことだ。老いた獅子と、わたしは呼ばれているからだ。獅子とは目覚めた者のことである。そして、汝はまだ銀河レベルの大人になってはいない。たった一人で、ここまでやって来た向う見ずな幼い獅子だ。わたしにとっては、名前なんぞどうでもいいことだが、名前の最初の音は、マヤにとって重要なキーワードのようだから、わたしを【G】と呼んでくれたまえ。
しかし、この名はおじいさんの爺でも、重力のGでもなく、アルファベット7番目の文字のGだ。宇宙の深淵に流れる、7の法則を理解し、7という数字を真の意味で使いこなすことができたなら、この宇宙での学びはもう終わりにしても良いくらいだ。それに、ここはエリア#7かという疑問に対して、ふさわしい名だとは思わないかね?」
その人は歪みのない真っすぐな声で、高らかに笑っていた。
以上、「6と7の架け橋」から抜粋しました。(次回へつづく)
Another Part of Me(1987年 マイケル・ジャクソン)
間もなくマイケルの命日(6/25)がやってきますので、しばらく彼の楽曲が続きます。ご理解のほどよろしくお願いします。
「Another Part of Me」とは、「わたしの別な部分」という意味です。ディズニーのキャプテンEOで使用された楽曲でもあります。下記がそのバージョンになります。