金融庁 地銀に改革迫る金融行政方針公表へ(11/8)
金融庁は、全国に100余りある地方銀行のうち、すでに半数以上で融資や投資信託の販売などいわゆる「本業」が赤字になっているとしたうえで、人口減少や低金利が続く中、経営環境の悪化はさらに続くと見ています。
このため、金融庁は、今後、地方銀行など地域の金融機関の経営が悪化し、利用者や地元経済に悪影響を及ぼすような事態を防ごうと、今の制度の見直しや監督の在り方などを検討することになりました。
具体的には、将来的に経営が不安視される場合、ほかの銀行との再編も含めた対応策を早い段階で促せるような仕組みを検討します。
また、低金利で「本業」の収益が悪化する中、多くの金融機関が、外貨建ての債券への投資や不動産向けの融資を増やしていることを踏まえ、多額の損失が生じないようリスク管理の徹底を求める構えです。(引用終了)
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既報のメガバンクの人員削減、店舗閉鎖に続き、地方銀行の中間決算で苦しい台所事情(減益)が徐々に明らかになってきました。
来年度からメガバンクで”リストラ”か?(10/30)より
来年はほぼ間違いなく金利が上昇するでしょう。するとどうなるかといいますと、体力もあり、事前準備をしてきたメガバンクはまだいいとして、地方銀行や信用金庫、信用組合等は、僅かの金利上昇で一気に「倒産危機」が出てくると思われます。(引用終了)
株式市場よりも経済に与える影響力が大きいのが「債券市場」です。「金利が上昇する」と、なぜ金融機関が危なくなるかといいますと、金融機関が既に保有している国債から差益を得るどころか、反対に差損が生じ、益々赤字になってしまうからなのです。
「金利と国債価格は反比例する」
これを覚えておいてください。
「国債とは何か?国債を売るには」より引用
国債は、証券会社や銀行など金融機関で売買される金融商品なので、普通は満期まで保有することが前提です。満期まで持っていれば元金と利子が戻ってきますが、満期前でも売却し換金することは可能です。通常は、売却時に市場の金利が国債を買った時よりも高くなっている場合には、売却損が出ることとなりますし、市場金利が低くなっている時は売却益がでます。(引用終了)
メガバンクはすでに保有国債を大幅に減らしており、主要生保も国債の運用残高を徐々に減らす方針です。つまり、近い将来の「国債価格下落」を予想していることになります。
監督官庁の金融庁は尤もらしいことを云っていますが、地銀はもとより、信用金庫、信用組合が立ち行かなくなることは想定しており、これも「リッチスタン帝国」によるシナリオなんですね。
人口減というのはどうしようもなく、消費人口減、労働人口減によって廃業、業務縮小、倒産する企業が増えてきますので、金融機関にとっては、融資先減は目に見えており、若者たちは非正規雇用者が多く、日々の暮らしに汲々としており預金どころではありません。
FRB(米連邦準備理事会)とECB(欧州中央銀行)は量的緩和終了に動き出しました。日銀もいつまでも異次元の量的緩和を続けていられません。「パラダイス文書」に続き、下記のような報道もあります。
ベネズエラはデフォルトが視野に入ってきましたし、サウジアラビアの王子たちによる不正蓄財も、賄賂を贈った側も調べられるはずで、その中に日本企業が入っていなければ良いのですが・・・。
いずれにしましても、今年は大きな変化はないかもしれませんが、来年は穏やかな金融市場とはならないような気がします。
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