影

≪ドッペルゲンガーはシンクロの一形態≫

西丸やゲーテが体験したような現象は、一般的には「ドッペルゲンガー」と呼ばれている。ドイツ語で「二重に出歩く者」という意味だ。

自分自身にぱったりと出会ったり、自分がここにいるのに別の場所で目撃されてしまったりするという不思議な現象で、これまでに世界中で様々な人がドッペルゲンガー現象を体験していることが報告されている。

有名な例では、16世紀に即位したイギリスの女王エリザベス1世や、アメリカの大統領エイブラハム・リンカーンのケースだ。二人はそれぞれ死の少し前に、自分のドッペルゲンガーを見たと伝えられている。(下記記事に詳しく紹介されています)

「ドッペルゲンガーの正体と実例!突然現れるもう1人の自分」より
二重

ドッペルゲンガーは、自分の姿を自分で目にする幻覚現象だと決めつける向きもあるが、既に説明したように、ドッペルゲンガーは何も自分だけが見えるものではない。

19世紀のフランス人でエミリー・サジェという名門校の教師は、10人以上の生徒に自分のドッペルゲンガーを目撃され、その現象は1年以上も続いた。身に覚えのないサジェと学校側は困惑するばかりだ。

そして、とうとう、その現象を恐れた生徒の父兄が子供を別の学校に転校させる動きが出てきたことから、優秀な教師であったにもかかわらずサジェは解雇されてしまった。

戦艦ヴィクトリア(Wikipedia)
ヴィクトリア

19世紀後半のイギリス海軍地中海艦隊司令長官ジョージ・トライオン中将も、ドッペルゲンガーを複数の人に目撃された一人だ。

1893年6月22日、最新鋭の戦艦「ヴィクトリア」を指揮していたトライオン中将は、レバノンのトリポリ沖で演習中、戦艦キャンパーダウン号と衝突した。ヴィクトリア号はあえなく沈没、トライオンを含む358人が犠牲となった。

ヴィクトリア号がキャンパーダウンと衝突したまさにその時、トライオン中将の妻はロンドンの邸宅で大きな社交パーティーを催していた。そこへ突然、軍服姿のトライオンが現れ、ゆっくりと階段を下りてくる姿が目撃された。彼は厳かに客間を通り抜け、まるで別れを告げるかのように立ち去り、姿が見えなくなったという。

このような具体例を調べると、ドッペルゲンガーが時空の異なる自分と≪偶然≫に出会うシンクロニシティの一形態であることがわかってくる。ご存知のように因果律は、時間の流れに左右される。何かが起こり、それが原因となって、時間の経過と共にその結果が現れる。

これに対してシンクロニシティが示す共時性は、時には時間に逆行する。逆行どころか、意識(想念)や形象(ドッペルゲンガー)は、瞬間的に未来や過去に出現する。

時空間

要は意識や無意識にとって、時間の流れは関係ないのだ。意識は過去、現在、未来のあらゆる時間を往来する瞬間移動体のようなものだ。そして、同じ意味や性質をもつもの同士が時空を超えて共鳴するような現象を引き起こし、集まったり、響き合ったりする現象がシンクロニシティなのである

しかもそのメカニズムは、個々人の潜在意識だけではなく、人類の集合無意識においても働く。その人類の集合意識が絡むシンクロニシティのケースは、非常に大きなテーマであるので、第5章で取り上げることにする

以上が、シンクロニシティという現象がどういうものであるかということの概略的な説明である。その本質がどのようなものか、おおよそわかっていただけただろうか。

しかし、その現象がどういうものかがわかっても、それだけでは役に立たないし、面白くもない。自分の身の回りに起きているシンクロニシティに気づき、その法則性やメカニズムを理解して、それを活用しなければ意味がないのである。(これにて終了)


「シンクロニシティ『意味ある偶然』のパワー」より転載

時空05

(管理人より)
著者が述べている「第5章」には、「時空を超えて(2)第六感は存在するのか?」でご紹介した≪地球意識プロジェクト≫が含まれています。
(過去記事) 時空を超えて(1)「時間の正体は何なのか?」

時間があれば転載してご紹介しますが、新時代を迎えるにあたっては、修行僧のような独立独歩ではなく、同じ意識を持つ人々とつながらなくてはならないのです。単にパワースポット巡りをすればいいとか、お守りを持てばいいとかではなく、価値観を共有する人々とこれからの地球、世界を作り上げていくことです。

ネット

そのバロメーターになるのがシンクロニシティ現象なのだと思います。人間の想念というのは目には見えません。しかし、あなたと同じように「なんとかしたい~」と思っている人は世界中に沢山います。それに気づかせてくれるのがシンクロニシティです。