聖徳太子の「未来記」(11)

飛鳥昭雄「フリーメーソン アダムより連綿と続く預言者の系譜」


飛鳥氏のビデオも参考になります。「聖徳太子の未来記シリーズ」は計17回ありますが、お盆までに終了させたいので少しハイペースになります。今回の記事から日本に関係してくる内容になります。エジプトの神々、ピラミッド、ハトホルの秘儀、祝之神事などを思い浮かべながらお読みください。

フリーメーソンの思想的背景にはイルミナティの存在があった③

イエズス会の宣教師たちが見た日本

モーツァルトが生きた時代は、日本では江戸時代にあたる。鎖国はしていたが、情報がまったく途絶えていたわけではない。

先に述べたドイツ人の医者ケンベルは、1690年から2年間日本に滞在し、『日本誌』を著述した。最初は英語、続いてフランス、オランダ、ドイツ語で出版され、啓蒙主義者たちの間で熱心に読まれていた。

『日本誌』には、天照大神から始まる万世一系の天皇や聖徳太子についての記述もある。『日本誌』は、やがて到来するジャポニズムの下地となるのである。

イエズス会の日本における布教活動は、江戸時代の政策によって閉ざされたが、イエズス会士たちが日本について書いた書簡、報告書はたくさんある。彼らもまた、日本人独自の信仰に興味を持ち、神道や仏教についての詳細を報告している。

ヨーロッパにおいて日本の発見は、ポルトガル人が種子島に漂着した1543年に始まる。黄金の国ジパングはそれまで、どこにあるのかさえ認知されていなかったのである。

イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエル
ザビエル

続いて、イエズス会の宣教師ザビエルがキリスト教の布教を始めるが、野蛮で背信行為が日常だったインドでの布教に失望していたザビエルは、日本人を最大に讃辞し、日本人には「理性」があるとした。当時のヨーロッパ人にとって「理性」とは「真理」であり「キリスト教」に他ならない。

『聖書』を知らない日本人が知識・理性的な対象と見なされたのだ。ありえないことである。

ギョーム・ポステルという16世紀のフランス人・東洋書籍蒐集家は、「日本こそ主イエスが再臨する場所に他ならない」という論文まで書いている。

「もし彼ら(日本人)が、今行っていることを、救い主の名において行いさえすれば、彼らこそが世界のうちでもっとも完全な人間であろう」・・・と。

「完全な人間」とは「隠された真理」探究の終着点であり、それはイグナーツ・フォン・ボルンの求める「高次の追及」「完全な人間」となる錬金術の目的でもあった。

また、黄金の国という要素も、アマルガム合金を試作する錬金術師ボルンにとって、研究するにたる存在であっただろう。ザビエルも書簡でこう報告している。

「日本では金銀が多く採掘される。もし日本の皇帝がわれわれの信仰に帰依すれば、ポルトガル王国に多大な利益がもたらされるであろう」

天岩戸

すなわち、日本がファラオの国同様、太陽の国であり、太陽神の子孫として紀元前から続く日本の皇帝と彼らの持つ秘義に、エジプトの秘義との共通点があることを、優秀な錬金術師であるなら読み解けたはずなのだ

(参考) 聖徳太子の「未来記」(8) 聖徳太子の「未来記」(4)

エジプトの太陽神ラー(左)
ラーとイシス

当時、ピラミッドはギリシャ語のピュル=火が語源であり、火は太陽と同意語と考えられていた。それが完璧完全なピラミッドの形となり、そのなかで執り行われる古代の秘儀祭祀こそが、ただひとつの真理を知りえるもの、と解釈された。

その秘儀がイシス・オシリスの儀礼となり、フリーメーソンの通過儀礼に取り込まれたのである。

だとすれば、太陽の国日本の王子がイシス・オシリスの座に就いたとき、偽善が暴かれ、世界が救われるとした『魔笛』のラストは、失われたエジプトの秘義が、日本の皇帝のもとに伝わっているということを意味しているとも解釈できよう。

※ ハトホルの秘儀=祝之神事と考えられます。

あるいはこれは、真のフリーメーソンの最高位には、日本の王子が就くべきだというメッセージにも受け取れる。ただし、そのことは日本人も知らない。

※ 日本の王子とは誰なのか?昨今の流れでお分かりになるでしょう。

だから王子は、手に弓を持っていても、矢は持っていない。覚醒しなければならない王子として描かれているのだ。(次回へ続く) 「月刊ムー5月号」より転載