ユンケル氏が離脱派議員に「なぜここにいる」(毎日)

英国の国民投票結果を受けた28日の欧州議会本会議で演説したユンケル欧州委員長が、欧州議会議員で英離脱派の急先鋒(せんぽう)だったナイジェル・ファラージ氏を前に「離脱のために戦ったあなたがなぜここにいるのか」と問いかける一幕があった。

ユンケル欧州委員長
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英独立党党首ファラージ氏
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ファラージ氏は離脱を訴えた英独立党(UKIP)党首。欧州議会では4期目で反EUを主張する会派に所属する。

ユンケル氏は英国民の選択を尊重すると述べた後に議場で拍手するファラージ氏に「あなたがここにいることに驚いている」と語った。その後に演説したファラージ氏は「EUという政治プロジェクトは否定された」「我々はEUから脱退する最後の国ではない」などと述べ、ブーイングを浴びた。

一方、英国民投票を巡る一連の対応や欧州委員会の運営などを巡り、ユンケル氏にも責任論が浮上している。ユンケル氏は「私は最後まで欧州統合のために戦う」と強調した。(転載終了)

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欧州議会が開かれています。日本のメディアではここまでしか報道しないと思いますが、16時からのNHK-BSで海外メディアのニュースを通訳付きで放送していたのを偶然みていました。

英離脱派のリーダーである独立党党首のファラージ氏がユンケル欧州委員長の問いかけに答えました。

「あなたたちの通貨(ユーロ)は終わるのだ。(会場が若干ざわめく)。EUを脱退するのは英国が最後ではない」と確かに発言しておりました。

今回の英国のEU離脱を問う国民投票で離脱派が勝利しましたが、キャメロン首相は即座に辞意を表明しました。「あぁ、事前に決まっていたのね~」と思いました。元々、EUは実験ですし、英国はユーロを採用していません。「パナマ文書」の件もあり、そろそろ引き際と判断していたのかもしれません。

もうすぐ7月です。今年の後半がスタートします。これから2、3年は混乱した状況が続くでしょう。各国の積みあがった債務は何らかの形で帳消しにしないと前に進めないのです。【悪露出し(おろだし)】がすっかり終わるには最低10年はかかるかもしれません。

投資家ジム・ロジャーズ氏 英EU離脱「1~2年は株買わず」 (日経)より引用

――EUを離脱する英国の選択をどうみますか。

多くの投資家にとって良くない選択だった。世界の株式相場は急落し、外国為替市場も混乱した。EU離脱は経常赤字の増加など英国経済に悪影響を与えるだろう。マーケットの混乱は実体経済に悪影響を及ぼし、さらに市場にも悪影響を及ぼすという悪循環だ」

――EUやユーロの行方は。

「スペインやベルギー、フランスなど加盟国の離脱派が勢いづき、離脱の是非を問う国民投票への要求が強まるだろう。EUは拡大しすぎ、経済格差が広がった。このまま生き残ることはないだろう。投資家はこうした動きを嫌い、ポンドやユーロなどの売りを強める。市場はより混乱し、世界経済の不透明さは増す」

「2014年のインタビューより」
ジム

――世界経済は2008年のリーマン・ショックなどの危機を乗り越えてきました。

「リーマン・ショックとは比べられない。今回は多くの中央銀行が大幅な金融緩和を続けてきた結果、世界中の債務がこれまでより膨らんでいる。EUの混乱などをきっかけにバブルが崩壊したら危うい。リーマン・ショック時より多くの企業が倒産し、欧州の小国などは債務不履行(デフォルト)も考えられる。将来的にはスペインや英国などにも破綻リスクが出てくる。今後数年で世界経済はより深刻な状況に陥る可能性がある」

――英国のEU離脱の決断は日本市場にも大きな影響を与えました。

「投資家は円やドルを安全資産だと思っており、英国の離脱決定後に急激な円高が進んでいる。しかし、日本は膨大な財政赤字など深刻な問題を抱える。円もドルも買われすぎで、いずれ投資家がツケを払う日が来る可能性がある」

――投資家のなかには今回の世界株安を「絶好の買い場」とみる人もいます。

「そうは思わない。私は少なくとも今後1~2年の相場を悲観的にみており、株を買うつもりはない。いったん弱気相場になると、株価は予想以上に下がるものだ。もちろん、ロシアやカザフスタン、ナイジェリア、コロンビアなど注目している有望市場はある。しかし、今は投資するつもりはない」

――主要国の政策当局はどう対応すべきですか。

多くの政策担当者は過剰に紙幣を印刷するのをやめるべきだ。今回の欧州の混乱で米連邦準備理事会(FRB)は利上げがしづらくなっただろう。しかし、利上げしなければ債務はより増え、ますますバブルが膨らんで状況は悪くなる」