日銀 新たな金融緩和策決定 当座預金金利マイナスに(NHK:抜粋)

金融機関は、預金をきっちり預金者に支払うことができるよう日銀の当座預金に預金することが法律で義務づけられています。しかし、大規模な金融緩和のもとで、金融機関は、余った大量の資金を日銀に預けていてこの部分に日銀は0.1%という金利を付けていました。

日銀は大規模な金融緩和によって金利全般を低下させ企業が資金を設備投資や賃上げに回すよう促してきましたが、金融機関は日銀の当座預金に資金を積み上げ続けてきました。

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          日経記事より

金融機関が日銀に預けている当座預金の残高は、去年12月から今月にかけての平均で252兆円となっており、このうち大半の242兆円余りに0.1%の金利がついています。

そこで今後、法律で定められた資金を超えて預けてくる金利をマイナスに引き下げれば、金融機関は日銀にいわば手数料を支払って資金を預けることになってしまうため、金融機関が資金をより積極的に貸し出しなどに振り向けることを期待しているのです。(引用終了)

マイナス金利とは(三井住友信託銀行HPから)

(A)
金利がプラスの場合は、お金を借りると利息を支払い、お金を預けると利息がもらえます。これが、金利がマイナスの世界では逆になります。つまり、お金を借りると利息がもらえ、お金を預けると利息を支払うことになります。

(Q)
住宅ローンで金利がもらえる? 預金するのに利息を支払う?尋常な世界ではありませんね!

(A)
住宅ローンで金利がもらえる世界は常識的には考えられませんが、ヨーロッパの一部の国では中央銀行への預け金についてマイナス金利は現実のものとなっています。(引用終了)

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午後にこのニュースが入ってきました。10月28日の「あっちもこっちも金融緩和」において、『日銀はいつかどこかでマイナス金利を導入するんじゃないかと思っているんですが・・。』と書いたのを思い出しました。

日経平均は前日比でプラス600円弱からマイナス270円強まで揺れ動くというジェットコースター相場となりました。10年物長期国債の金利は0.09にまで下がってしまいました。

ECB(欧州中央銀行)がすでにマイナス金利を導入しているのはご存知でしょうが、日銀のいうように上手く事が運ぶとは思えませんね~。開始日が2月16日という中途半端な設定というのも気にかかります。

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前日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加の利上げを見送りました。翌日の日銀決定会合で【マイナス金利導入】が決定されたわけです。3月に開かれるFOMCではきっと追加利上げが決定されることでしょう。(日本経済のためというより米国を助けるためかも?)

(参考)FOMC後の市場当惑、日銀が「最後の期待」(1/28)

金融機関は当座預金に預けているマネーが多ければ多いほど罰金を取られるようなものですから、バブル時代のように貸出しを増やそうとするでしょうが、そうは問屋が卸さない気がします。日銀と日本政府は企業の設備投資、賃上げを期待しているようですが、実体経済がこのような状態では難しいと思います。

金融ムラには一時的に資金が回り株価は上昇するかもしれませんが、今年後半には体力のない金融機関は疲労困ぱいということになりそうな気がします。住宅ローンを借りると金利がもらえるという常識外れの時代がやってくるのでしょうか。