ハイニッシュ・ユニヴァース・シリーズの一つで、前回読んだ「辺境の惑星」の姉妹編と言えるような背景の作品。

そして、表紙イラストはまつざきあけみさん。1990年発行のハヤカワSF文庫である。これも図書館で借りたが、そういえばSF本はたいがい西岡図書館の蔵書である。各図書館である程度の役割分担があるのかな。SF文庫が20年くらいも大事に蔵書されているなんて、すごい。


「辺境の惑星」で、人間と原住民が結びつく未来が示されていた。そして長い年月が過ぎその子孫たちが新たな惑星の住人として繁栄し、失われたテクノロジーを再構築し、再び宇宙を旅することができるようになった頃の物語。「辺境の惑星」に取り残された人間の子孫たちは、なぜ「エクーメン連合」は自分たちを見捨てたのか、故郷の地球はどうなっているのかを解明するために、精鋭が宇宙船に乗り組んで、地球を目指した。


ということは、後で分かるのであるが、ホントSFって気の長い物語・・・

森の中の館に暮らす少人数の人々。今や地球人は数も減り、広大な大地のあちらこちらにポツンポツンと集落があるような凋落した存在だ。「シング」という、侵略者に支配され、もはや地球を奪還する術もない。

館ににある日、地球人ではないと思われる容貌をした青年が記憶喪失の状態で森からあらわれた。記憶も言葉も何もかも失くした青年を館に迎え入れ、フォークと名付け、人間のやり方を教え絆が生まれた。しかし、長老は青年に本来の自分を探す旅に出るよう告げたのだ。


シングの都市を目指すフォークの苦難の旅、フォークを利用するために彼を探し都市に誘導するシング。シングの目的が明らかになっていくスリリングな過程も興味深いし、フォークが自分を取り戻すためのシングとの精神的な戦いも緊迫感があって面白く読める。

はるか未来にこんなに精神的に進化する生き物になれるのか、人類って?今のてんやわんやの地球を思えば、夢あるSf世界への現実逃避だなあ(^_^;



そろそろ:お節やお雑煮、外食でフレンチなどの食生活が続いたら、食べたくなるのがカレーライス(笑)
食べて飲んで観て読んだコト-カレーライス 全然お洒落じゃないただのカレー、これが食べたかった~