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ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ


 轟音…とも言っていい雄叫びをあげる鎧竜『グラビモス』。その首が上に向かって大きく仰け反った。

(来るかっ!)

 その挙動を確認し、私はハンマー『バインドキューブ』を腰だめに構えてグラビモスに向けて突撃していく。
 次に来る攻撃はわかっている。
 私はその攻撃の後の隙に必殺の一撃を叩き込むべく、バインドキューブを握る手に力を籠めた。


ごばっ


 私の予想通り、振り下ろされたグラビモスの頭部。その巨大な口が私の方へ向かって大きく開かれる。まるで地獄まで続くような口の奥が紅く光ったと思った瞬間…


きゅばあぁぁぁぁぁっ


 空気を裂くような音と共に、すべてを灼き尽くす紅い光…体内に溜まった熱を指向性を持たせて放出するグラビモス最強最悪の攻撃、『熱線』が放たれる。
 『グラビーム』とも呼ばれ、幾多のハンターを焼き殺してきた熱線が、私のすぐ脇を掠めて通り抜けて行った。
 じりじりと、熱がボーンメイルが灼くのがわかる。

(喰らうものかっ!)

 恐ろしい攻撃ではあるが、準備動作が大きく、落ち着いて見ればそうそう直撃を喰らうものではない。
 むしろ、熱線を放出した後のグラビモスは体を硬直させて大きな隙を見せる。
 私はそれを狙っていた。 
 熱線の脇を抜けてグラビモスの足元に滑り込む。そして…

「うおぅりゃぁぁぁっ!」

 裂帛の気合と共に、私はバインドキューブを振り上げた。

 狙いはその巨体の重量を支える脚、右膝関節。溜めた力のすべてを解放し、バインドキューブを大上段から一気に振り下ろした。


がきっ


「ぬぅ!?…ちっ」

 意外に軽い手応えに、思わず舌打ちが出た。
 膝の間接部の中心を打ち抜くつもりの一撃は、わずかに狙いを逸れ、数枚の甲殻にヒビを入れただけに終わった。
 あわよくば膝を砕いて転倒させる事を目論んだ一撃だった。渾身の一撃だったため、今度は私の体勢が崩れる。

(間合いが遠かったか…うおっ!?)

 甲殻で弾かれ滑った後、地面にめり込んだバインドキューブを引き上げた私の視界が紅く染まった。
 グラビモスの身体、甲殻の隙間から噴出される赤い霧…口から放出する熱線と同時に、体内の熱を霧状の火炎ガスとして体表から放出したのだ。

「ぐぬぅ…」

 身体を包む高熱のガスに、私はたまらず顔を腕で押さえながら転がるようにグラビモスから距離を取った。
 何度か転がり、立ち上がる。しかし…

「ぬかった…!」

 思わず、悪態をついてしまう。視線の先では、グラビモスが右脚を軸に回転を始めていた。それと同時に、人の身長ほどの太さがあるグラビモスの尾が横薙ぎに払われる。
 そして、ようやく立ち上がった私は、その軌道上に居たのだ。


ぶんっ


 風切り音がする。もはや避けきれない…そう覚悟を決めた瞬間、


ぶつんっ


…という切断音と共に、根元から断ち切られたグラビモスの尾が、遠心力に振られて、私の目の前を飛んで行った。

「大丈夫か、アギさんっ!」

 グラビモスを挟んだ向こうから、ランスを構えたハンターが声を掛けてきた。

 トモチ

 今回の狩りに同行してくれた、若いランス使いのハンターだった。

「すまない! 助かったぞ、トモチ殿!」

 彼の狙いすました一撃が、私を打たんと振るわれたグラビモスの尾を切り飛ばしたのだ。
 私は、バインドキューブを上に掲げて、その援護に感謝の意を表した。
 それを見た、レウスメイルをグラビモスの赤い返り血で染めたトモチが、私と同様に手にしたランスを少し立てて見せる。
 そして、トモチは尻尾を切られ、地べたに横たわって悶えているグラビモスを一瞥すると、ランスをたたむと私に駆け寄った。

「アギさん、傷を見せてくれ!」

「かまわん…なぁに、こんなのかすり傷よ!」

 手当てをしようとするトモチの手を制した。
 だが、実際は…火炎ガスの直撃を喰らった私の皮膚は焼けただれていた。
 しかし、視線の先ではダメージから立ち直ったグラビモスが立ち上がろうとしていたのだ。

「ですが、応急措置だけでもしないと…ちっ! ヤツめ、もう立ち上がったか!?」

 薬のビンを腰のポーチから出そうとしていたトモチの手が止まった。
  
「トモチ殿! 私は正面から攻める。君は後背から攻めてく…ぐおっ…」

 バインドキューブを手に立ち上がろうとした私だったが、全身を襲った激痛に膝が落ちる。 
 ランスと盾を構えたトモチが、私とグラビモスの間に割って入った。

「アギさん! ここはオレが食い止める! いったん引いてください」

「ぬ…ぬう…これしきの傷で…」

 トモチの盾の向こう側には、完全に体勢を立て直したグラビモスが怒りに満ちた唸り声を上げ、私とトモチとを見下ろしていた。
 今にも襲い掛かってこようとしているグラビモス。その頭部付近に黄色い煙が舞った。続けてもう一発。

「麻痺弾…マサか!」

 トモチの歓喜の声。後ろを弩り返ると、ライトボウガン『蒼桜の対弩』を腰だめに構えたガンナー、マサが息を切らせて立っていた。

「おまえ…ずいぶん待たせたじゃねぇかよ!」

 トモチが叫ぶが、口元は笑っている。

「ハァハァ…すみません、ボウガンがジャムちゃって…」

 トモチの悪態に一度、ビクッと身体を振るわせたマサが、すまなそうに…消え入りそうな声で言った。

「まったく…そんなことはいいから、アイツの動きを止めてくれ! アギさんが怪我をしたんだ!」

「大丈夫! もう止めました!」

 マサが蒼桜の対弩の装填レバーを引きながら声を返す。
 振り返ると、身体を仰け反らせたグラビモスが苦しげに呻いていた。麻痺弾の効果だ。

(的確に急所を捉えている…なかなかやる!)

 そう私が思っていると、マサから声が飛んだ。

「アギさん、行きますよ!」

 声と同時に、ボウガンの銃口が私に向けられ、すぐさま発砲される。


ばしゃっ


 水のかけられるような音。同時に、私の身体に緑色の液体が浴びせられた。一瞬の冷たさと刺激の後、火傷の痛みが引いていくのがわかった。
 回復弾…カラの実の薬莢に詰められた薬草から抽出した回復液。それが散弾状に撃ちだされたのだ。

「おおっ…すまん、マサ殿! 助かる!」

「はい! お気になさらず!」

 私の礼にマサが笑顔で応える。
 痛みが引き、身体が自由に動く。私は今度こそバインドキューブをしっかりと握り締め立ち上がった。


ごああぁぁぁぁぁぁぁっ


 正面では、麻痺状態から脱したグラビモスが怒りの雄叫びを上げていた。
 その前にはトモチがランスと盾をかざし、グラビモスの巨体に一歩も怯むことなく対峙している。
 私は、その横にバインドキューブを構えて並んだ。

「心配をかけた!」

 私の言葉に、トモチは、にぃっと笑みを見せた。

「貸しひとつ…ってことで。後で一杯奢ってくださいよ!…さ、仕切り直しといきましょうか!」

「うむ!…いくぞっ!」

 私とトモチがグラビモスに向かって駆け出す。

「麻痺弾、いきますっ!」

 その背後からマサの援護射撃が飛ぶ。

 一瞬だが、グラビモスが気圧されたように私には見えた。



…その後、激しい戦いが続いた。

 しかし、マサの麻痺と回復のサポートを受けたトモチと私の攻撃に、火山の覇者…鎧竜『グラビモス』がその身を大地に沈めるまで、長い時間は掛からなかった。

 
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先日、またモンハンGのオンラインに行きました。

いいハンター(プレーヤー)と巡り合えるものですねw
文中に登場していただいたランサーの『トモチさん』。そしてガンナーの『マサさん』のお二人。

トモチさんはオンライン慣れしておられるようで、チャットマナーも、狩りのテクニックもかなりの熟練者といった印象。
その日、次から次へと入れ替わる人たちの中、一緒にプレイしていて、とても楽しく、心地よかったですw

なんと言いますか、かつてのドスオンラインでご一緒していた私設猟団『アリベデルチ』、『LUNA's BAR』の皆さんと一緒に狩りをしていた時のような懐かしさ、心地よさを感じましたね~( ´艸`)ニョホ~

マサさんは、落ちる前に数クエご一緒させていただきましたが、麻痺弾や回復弾によるサポートを的確に行ってくれるライトガンナーさんで、とても戦いを楽にしてくださる、ありがたい方でしたw
ホント、マサさんの援護がなかったら、グラビモス戦、何度死んでたかORZガックリ

またご一緒できたらな~と思い、フレンド登録を申し込みましたw…Gに2回目の里帰りをして、初めてのフレンド登録申し込み…幸い、OKしていただけましたo(゜∇゜*o)(o*゜∇゜)o~♪ヤッタヤッタ

トモチさん、マサさん~…また『街』でお会いしたときは、よろしくお願いします~~~ノシ