飽きっぽい私が、100回位観ている大好きな映画





『プラダを着た悪魔』。




簡単にあらすじを説明しますと、

名門大学を卒業しジャーナリストを志す主人公が

NYの出版社に履歴書を送ったところ、人事部より

どちらか選択するように言われた所から

物語は始まります。




『車雑誌か、ファッション誌か』


 


主人公が選んだのはファッション誌。




ー そこは、プラダ等の高級品を身に纏い、

『世界中の女の子の憧れ雑誌・

ランウェイ編集長で生ける伝説』

としてその名を世界に轟かせ、その実態は

悪魔のごとく部下達に無茶ブリをカマしまくる

ミランダが君臨する、トンデモない職場だった ー





…といった感じです。





主人公・アンディは名門大学を卒業し

硬派なジャーナリストを目指す、

ファッションには全く興味を持たない新卒女子。






野暮ったいシルエットのコート、

適当なシャツと流行色では無いセーターを

重ね着し、おばあちゃんのお下がりの如き

レトロ臭の漂う柄スカートに、分厚いタイツ、

トドメに楽チン靴で、世界的なオシャレを

生み出す職場に出勤しちゃう。






日本の人が普通にしていそうな服なので、

ミランダの言う『ファッションに興味の無い』

人には、一体何がダメなのか、パッと見では

分からない服装です。






欧米では日本と違い、男女ともに

大人の魅力として『知的で上品なセクシーさ』

が重視される傾向にあります。






男性も、シャツのボタンを多めに開けたりする

のはそういった理由もあります。






日本では、子どもっぽいものや人を好むことを

『ロリ』や『ショタ』趣味と表現して何となく

お茶を濁す雰囲気がありますが…




欧米では子どもは

『守るべき存在』という認識が非常に強く、

そういった背景から大人と子どもは明確に区別され

子どもっぽさは『チャイルディッシュ』

と表現され好まれません。






特にファッション業界や上流社会においては、

ある程度の肌見せは、子どもと大人を区別する

『大人の嗜み』として必要なわけです。






序盤のアンディは、全くもって露出ゼロ。





くたびれたセーターとお下がり風スカート、

露出ゼロの楽チンシューズスタイルで、

緊張感もゼロ。






鬼編集長ミランダや、ファッション大好きな

同僚からしたら、まるでホームウェア。





そんな緊張感が見られないダサダサド新人に、

『(バックルの)タイプが違い過ぎる2つのベルト』

について真剣に話している所に

『私にはその2つのベルトは同じに見える』

なんて口出された日には。





『分からないなら黙ってろ!』

と言いたくなるものですが。





そうは言わずに指摘するのが、

プラダを着た悪魔たるミランダ。





手と口を動かし続けてコーディネートを

着々と進めながら、ファッションにも

この仕事にもリスペクトのカケラもない

アンディの言動に対して淡々と反論し、黙らせる。





ファッションに興味が無い、という割に

『ファッションは下らない、

取るに足らないもの』

と、皆が真剣に取り組んでいる仕事を無意識で

見下し、土足で踏み入って皆の神経を逆撫でする

アンディをコテンパンにしたわけです。






アンディはアンディで、今までに無い世界で

上記のように自分の意見を言っただけで

ある時は皆の前で完膚なきまでに論破されたり、

はたまた悲しげに『失望した』と言われて、

ドン底モードに一直線。






思わずミランダの右腕・ナイジェルに愚痴ったら、



『あなたが一生懸命仕事してるって?

(目の前の仕事と向き合わずに)

ただ愚痴を言ってるだけでしょ。

目を覚ましなさい。』


『(あなたを嫌いとか好きとか個人的感情は抜きに)

彼女は仕事をしてるだけ。』


って言われちゃったり。





…ってこれ、私がちょっと前に上司に

言われたやつじゃん!





アンディと違って名門大学とか出てませんが、

私も割と優等生チックに、先生からの

覚えもめでたく、ぬくぬく生きてきたので、

井の中の蛙状態で壁にぶち当たってる感じが、

今さらながら共感できすぎる…😭💦






なお、反省したアンディがランウェイ誌の仕事

=ミランダの無茶ブリを完璧にこなし、

洗練され魅力的な外見になるにつれ、

アンディの露出度は格段に上がります。





分厚いタイツを脱ぎ、ジャケットの胸元は

広く開け、ワンピースに合わせて下着まで

大変化し、どんどん垢抜けてセクシーな大人へ。





しかし、ランウェイ誌で成長し、

垢抜けの階段を上るのと比例して、


・恋人や友人、家族と過ごす時間

・ジャーナリストになる為の研鑽を積む時間


=アンディが大切にしていたはずの個性


が消えて行き、以前自分が笑って揶揄していた

『大理石をピンヒールで歩くカツカツ族』

の一員として、見た目も中身も、

ミランダの有能なアシスタントへと

完成されていってしまう。





自分が選んで

着ているはずの服に、

『取り込まれていく』

かのように。





後半の一連の出来事をきっかけに、

アンディはかつて抱いた、

ジャーナリストとしての想い

→『本来の自分』

を取り戻し、服装も初期に近い、でも成長もした

アンディらしいスタイルへと変化します。





本当、この映画はいつ観ても、何回見返しても。




毎回新たな発見があって、全く飽きが来ない。




せっかくなので、


《 作中のオシャレスタイル 》

に似た雰囲気のお洋服をご紹介✨



①白シャツ+黒の重ね着服







②黒ボトム







③パリでのお仕事服