どんな本
ADHD、ASD、LD、知的障害の方たちが仕事をしていく中で、
リアルに困っていることを「まんが」で紹介しています。
飯島先生という作中のキャラクターが、
発達障害当事者のキャラクターと対談形式で話し合い、解決に導いています。
役立つアイテムや、ツールの紹介ページもあります。
この本を推すポイント
表紙がかわいい
表紙のイラストがかわいいので目を引きます。色彩もカラフル。
親しみやすいデザインになっていると思います。
我が家もリビングに置いておいたところ、子どもたちがスッと手に取りました
「まんが」だからわかりやすい、入りやすい
文章のみの本を読むのはなかなかハードルが高いことがあります。
まんがで紹介されていることによって、気軽に読むことができます。
まんがだから、発達障害の当事者でなくても状況がわかりやすいです。
ASDの娘と一緒に読んでいて「こういうことあるよね」「あるある」と確認しながら読めました。
困難の対処法のところが対談形式
困難の対処法をザザーっと文章で紹介してくれている本も、たくさんあります。
そういった本を、ひと通り読んで「なるほど」と思っても、
「こういう場合は?」「こんなときもあるよね?」など、どんどん疑問がわいてきたりすることがあるんです。
この本のいいとことは、解決に向かって対談方式で解決まで導いているところです。
対処法を投げっぱなしではなく、特性ならではの考え方、意見に丁寧に答えてくれているので、親切だなと感じました。
当事者へのインタビューが充実
当事者へのインタビューが充実しています。
当事者の方の工夫した日常生活の紹介は、大変参考になります。
知っていると便利なアプリ、アイテム、ツールはもちろんのこと、
具体的な使用方法、生活のポイントなども紹介してくださっています。
ロールプレイできる教材が載っている
- 仕事の優先順位を考えてみよう!
- ビジネスメールを書いてみよう!
- 電話を取り次いでみよう!
- メモをとってみよう!
- 上司に進捗を報告するメールを書いてみよう!
- お客様をご案内してみよう!
- 予想外のトラブルに落ち着いて対応しよう!
- 自分の傾向を知っておこう!
「発達障害の人のためのお仕事スキル」より引用
上記の項目が、問題として出題されています。
「予想外のトラブル編」は、読んでいてハラハラするような内容で、
臨機応変な対応を考える良い練習になると思います。
ヒントや回答例も充実しています。
ASDの娘と生活をしていて困難にぶつかったとき、いつも思うことがあります。
「ほかのASDの方たちは、こんな時どうしているのだろう?」
わが家では、通院の際に主治医の先生に生活のアドバイスをいただいたりはしていますが、
リアルな情報が知りたいと常々感じていました。
まさに先人の知恵、とても貴重な情報です。
このような本を出版してくださってとても感謝しています。
娘はまだ中学生なので、仕事をするのはもう少し先になりますが、
社会のしくみや常識を知るのにとてもよい本だと思います。