プレゼント

 

ある日、長女が帰宅すると小さな箱を持っていました。

 

開けてみるとマグカップでした。

 

尋ねると「下校途中でもらった」といいます。

 

引っ越しをしたので、長女は自転車通学から徒歩通学になりました。

 

通学路は途中、緑道を通るルートです。

 

緑道を登校していると、ジョギングしている紳士によく会うそうです。

 

「おはよう!」「いってらっしゃい」「勉強がんばれ」など声をかけられるそうです。

(子どもみんなに声をかけてくださっているみたいです)

 

長女は「おはようございます。いってきます」と言っていつもすれ違います。

 

いつもは朝に会いますが、今日はめずらしく下校時に紳士に会ったそうです。

 

「こんにちは」とその場はすれ違ったらしいのですが、紳士があとから走って追いかけてきて

 

「これあげるよ」と箱を差し出してきたそうです。

 

予想外の出来事に長女は「えっえっ」と困惑しました。

(予想外のことがすごく苦手)

 

「いいからいいから」と箱を渡されたので

 

「ありがとうございます……」といって受け取ったそうです。

 

その後も

 

紳士「ほしいものとかないの?」

 

長女「ないです」

(長女はとっさのウソはつけない。本当にほしいものが無い)

 

紳士「なにか好きなものある?」

 

長女「マイクラです」

 

紳士「マイクラ?って何?」

 

長女「マインクラフトっていうゲームです。マイクラは~~」

(好きなもののことは、早口で語り出す)

 

紳士「よくわからないけど真面目なんだね」

 

のような会話をしたそうです。

 

なんだか不思議な話でびっくりしました。

 

紳士はどうしてマグカップを長女にくれたのだろう?!

 

謎です。

 

お礼に伺いたいけど、長女は紳士がどこに住んでいる方か知らないと言うし、いつも帽子をかぶっているから、顔もよくわからないといいます。

 

よく知らない人から物をいただくのは、良くないよ。と言うと

 

「いつも会う人だから、知らない人ではないもん!くれるって言ったんだもん!急に言われたらわかんないもん!」とパニックぎみになってしまいました。

 

難しいですね。

長女は、とっさの判断が特に難しいです。

 

今回の場合は、相手の真意がわからないので

 

もし急に「やっぱり返してくれ」と言われても大丈夫なように

 

マグカップは箱に入れたまま、大切に保管してあります。

 

長女とは「物をいただく」ということについて話し合いました。

 

「あげるよ」と言われても、受け取ってはいけないパターンがあるということ。

 

でもその線引きはどこか、長女にわかるように説明するのが難しいです。