前回の続きです。
担任の先生のご厚意で、修学旅行に二日目だけ参加することになった長女。
なるべく先生や添乗員さんに、ご迷惑をおかけしないようにするため、
ASDの長女が、初めての場所でパニックを起こさないようにするため、
下見に出かけることにしました。
二日目の日程は、遊園地で記念撮影とグループごとの自由行動でした。
この土地に引っ越してきてから、緊急事態宣言や外出自粛があったりしたので
遊園地に行ったことがありませんでした。
家族で遊園地の下見に行きました。
長女の様子は、遊園地に向かう車内から少しパニックでした。
「どうして…どうして」とつぶやいて「息が苦しい」と過呼吸ぎみなかんじでした。
遊園地についてまずの集合写真撮影の場所を下見しました。
そしてチケットを購入して園内へ…
この時点で長女は泣いていました。
「遊園地の音楽が耳に刺さる!」とわたしの腕にしがみついて歩いていました。
言われてみれば、遊園地は楽しげな音楽がスピーカーから流れています。
わたしは「この建物、マイクラで作れそうだね」など、長女が得意なゲームの話を振りました。「マイクラで作るなら…」と長女も話に乗ってきて、ちょっとだけ安定しました。
まず乗り物ではなく、巨大迷路にチャレンジしました。
迷路は刺激が少なく、落ち着いて行動できました。
次女が迷路では物足りなさを感じて「乗り物に乗りたい」と言いました。
長女も「乗ってみる」というので、みんなで小さいコースターに乗りました。
幼稚園くらいの小さい子でも乗れるものです。もちろん回転などはしません。
しかしこれが大きなパニックを引き起こしてしまいました。
意外と音楽が大きかったのと、暗闇を走行する部分があったことで長女はパニックになりました。
コースターを降りるときには号泣でした。
長女とわたしはベンチでしばらく休むことにしました。
次女と夫は、ほかの乗り物に挑戦しに行きました。
大きい子どもがあまりにも泣いているので、道行くお客さんも不思議そうな表情で通り過ぎていきます。
「大丈夫だよ」と長女の背中をさすりました。
そこから長女は乗り物に乗らず見学をしたり、園内を歩いてまわったりしていました。
わたしはこんな状態で修学旅行に参加させられるのだろうか?とずっと心配していました。
園内のフードコートで昼ご飯を食べる練習、お土産ショップでお土産を買う練習をして、遊園地の下見は終了しました。
次女はたくさん乗り物に乗ったようで「楽しかった!」と上機嫌でした。
夫は、遊園地でパニックを起こす長女にイライラしていました。
夫の中では「遊園地に行った子どもは喜ぶもの」という固定概念があるからです。
顔や態度にイライラが出ていて、長女はびくびくしながら「期待に応えられない自分」に自己嫌悪しているようでした。
そろそろ長女の特性に慣れてもいいと思うのですが…むずかしいみたいですね。